FRB高官ら、より厳しい金融引き締めに言及相次ぐ [蚤の市★]

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米連邦準備理事会（FRB）の高官から8日、より厳しい金融引き締めを示唆する発言が相次いだ。ウォラー理事は講演で「想定より高い水準の政策金利が、より長い期間とどまる可能性がある」と言及。地区連銀総裁からも同様の発言が出た。高インフレの早期終息を期待していた市場関係者はシナリオの修正を迫られそうだ。

ウォラー氏はインフレ率の抑制に「より長い戦いを覚悟している」と説明した。FRBはエネルギーや食品を含めた個人消費支出（PCE）物価指数の上昇率で2%の目標を設定していると強調。人件費や燃料、肥料など幅広いコストの高騰で食品の値上がりが続いている点が過去と異なると注意を促した。

経済団体のイベントに出たミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も「これまでの利上げが労働市場に大きな影響を及ぼしているという証拠はまだあまりない」と指摘。1月の雇用統計で非農業部門の就業者数が市場予想を上回る伸びとなったことを念頭に「もっと（引き締めを）やる必要がある」と話した。

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は米紙ウォール・ストリート・ジャーナル主催のイベントで「物価上昇率を（目標の）2%にするには金融政策を十分に引き締め的にして、それを数年間は維持する必要がある」と語った。同氏は名目上の金利から物価の上昇分を差し引いた実質金利を重視しており、インフレが落ち着くまでこれを高めに維持する必要性を説いた。

今後の利上げペースへの考え方も問われ「0.25%（刻み）の引き上げが政策を調整するうえでちょうどいい大きさだ」と指摘した。1月の雇用統計の大幅な上振れなどを踏まえて「状況が大きく変わればより早く動くこともできる」とも述べたものの、現時点では再び利上げ幅を拡大することに慎重な考えを示した。

金利先物市場は8日午後の時点で、利上げを6月の米連邦公開市場委員会（FOMC）までさらに3回続ける確率を4割近く織り込んだ。1週間前の2%程度から急速に高まっている。

（ワシントン=高見浩輔、ニューヨーク=斉藤雄太）

日本経済新聞　2023年2月9日 7:15
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN090310Z00C23A2000000/