【動物】ヒトでも確認、動物の異種間「交雑」はよくあることなのか？ [朝一から閉店までφ★]

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ライオンとトラのライガー、イッカクとベルーガのナルーガ、そしてヒトも

2022.10.17

　2019年、科学者たちは初めて、イッカクとベルーガ（シロイルカ）の親から生まれたナルーガを確認した。また、野生と飼育下の両方で、イルカ・クジラ類の交雑種が少なくとも20例報告されている。（参考記事：「イルカとイッカク、北極のハイブリッド」）

　哺乳類だけではない。ヨコシマガラガラヘビとニシダイヤガラガラヘビ、キューバワニとアメリカワニ、ロシアチョウザメとヘラチョウザメ、カットスロートトラウトとニジマス、さらにアリ、ミツバチ、カリバチ、シロアリなどの昆虫でも交雑が記録されている。植物はさらに交雑しやすく、動物よりも7倍の割合で起こっていると考えられている。

　もしかしたら、地球上で最も交雑した割合が多い種のひとつは現生人類かもしれない。2022年のノーベル生理学・医学賞を受賞した研究で明らかになったように、人間の遺伝子には、ネアンデルタール人やデニソワ人などほかの古人類と交雑した痕跡が残っている。（参考記事：「祝！ノーベル賞　スバンテ・ペーボ氏が切り拓いた古人類DNA研究」）

動物の交雑種は珍しい？

　交雑はめずらしい現象なのかと思われそうだが、実はそうでもない可能性がある。

　例えば、1万種以上いる既知の鳥類のうち10％が交雑するという。鳥類の交雑が特に多く報告されているのは、たくさんのバードウォッチャーが写真を撮ってネットに投稿したり共有するためだろうと、マルビヒル氏は指摘する。

　チョウの交雑も良く知られているが、鳥と違って素人の観察者が昆虫でその証拠を見つけるのはそう簡単なことではない。

　また、この先特定の交雑種が増えていくだろうと考える科学者もいる。例えば、気候変動によって北極圏の海氷が減り、ホッキョクグマが陸上で長い時間過ごすようになれば、北へ生息地を拡大させているヒグマと遭遇して交雑する確率が高くなる。

交雑は良いことなのか、悪いことなのか

　交雑が必ずしも遺伝子に破滅をもたらすわけではないが、だからと言って強い種が生まれるとも限らない。

　例えば、ライガーは急な発育や心臓疾患など、健康問題を抱えることが多い。

　また、染色体の数の違いなど、親である種同士に相容れない遺伝的な違いがある場合もある。交雑種の多くが子どもを産めないのはそのためだ。子孫を残せなければ、親は自分の遺伝子を未来に残せなくなる。

「未来の世代に種の遺伝子を残す機会を1回逃してしまうことになります」と、ラーソン氏は指摘する。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/22/101200466/?ST=m_news&P=2

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