ＪＡ子会社で不正経理、２億円社外に流出　社員が中古車を架空に取引　宮城・栗原 [蚤の市★]

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　ＪＡ新みやぎ（栗原市）の子会社「新みやぎサービス」（同）の社員が中古車取引を装う不正経理を繰り返し、約２億円を社外に流出させていたことが３０日、分かった。外部流出した後の資金の流れや動機など、詳細は明らかになっていない。ＪＡは、宮城県警への被害届提出も視野に調査を続けており、不正経理の総額は増える可能性がある。

　不正経理を主導していたのは管理職の５０代男性。前身の「栗っこライフサービス」時代から、中古車販売業者などから軽トラックや乗用車を仕入れ、組合員らに販売する業務を担当していた。

　ＪＡなどによると、男性は２０１１年４月以降、販売業者３社の請求書を偽造。中古車を仕入れたように見せかけ、経理担当の５０代女性に指示して送金させた。過去に車を購入した顧客らの名義を使い、取引があったように装った。

　新みやぎサービスでは通常、車を含む全ての仕入れは月ごとに取引をまとめ、別の部署が一括して業者に代金を支払うが、男性は上司の決裁印と偽造請求書だけで個別に送金させていた。中古車オークションなどで迅速な支払いが必要な場合の特例を悪用したとみられる。

　男性はＪＡの聞き取りに約１２０件の不正経理を繰り返し、計約２億円を３社に流出させたことを認めている。「横領ではない」と話しているが、動機などは明らかにしていない。女性は不審を感じながらも指示に従っていたという。

　男性が認めた以外にも不正経理が疑われる取引があり、ＪＡは全容解明に向け調査を続ける。流出した資金の流れなどについて、被害届の提出を含め宮城県警築館署に相談している。

　新みやぎサービスの内部監査やＪＡによる監査は年２回あった。男性が架空の売り上げを未収金とした上、延滞が発生していないよう見せかけるため、入金を装って未収金の付け替えを行うなどの経理操作もしたため、１０年以上発覚しなかった。

　新みやぎサービスが設立された今年４月の事務検証で、自動車事業の売り上げに対し未収金が過大だと指摘され、精査した結果、流出が判明した。

　不正経理の概要は３０日、ＪＡの理事会で報告された。約３万人の組合員には今後、文書で対応などを説明する。

　新みやぎサービスの勝又金市社長は「利用者にご迷惑をかけ申し訳ない。全容解明に全力を挙げ、再発防止に向けた管理態勢を強化する」と語った。

河北新報　2022年8月31日 6:00
https://kahoku.news/articles/20220830khn000040.html

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