参院選・神奈川選挙区は改選4に5人当選…ただし5位なら任期3年で3年後に党内現職と競合も [蚤の市★]

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　夏の参院選で、神奈川選挙区は改選数４に対して５人が当選する異例の「合併選挙」となる。当選枠の広がりもあり、立候補予定者は過去最多の２０人以上が見込まれ、かつてない混戦模様だ。ただし５人目の当選者は任期が半分の３年。特に３年後の２０２５年に改選する現職がいる政党は、「５位当選だと３年後に共倒れしかねない」と気を引き締める。逆に他党などが４位以内に割り込めれば存在感は一気に増す注目選挙区だ。（志村彰太）

◆３０年ぶりの合併選挙
　参院選の合併選挙は１９９２年埼玉選挙区以来、３０年ぶりで神奈川では初めて。今回、神奈川は昨年８月、日本維新の会所属の参院議員が横浜市長選に出馬して自動失職し、４年の任期（当時）を残して欠員が生じた。欠員を埋める補欠選挙は年に２回（４月と１０月）の統一補選があるが、公職選挙法では、改選定数の「４分の１超」の欠員が補選の条件。神奈川は対象外だったため、今回の本選に合わせ補充が行われることになった。
　３年後の改選期まで空席のままにしないのは「国民の代表が空席の期間はできるだけ短い方が良い」（神奈川県選管）との趣旨で、合併選挙が定められているという。
　そんな中、「４位以内」を絶対条件とするのは自民党と立憲民主党、公明党。非改選の現職が各１人おり、今回５位当選なら３年後に現職同士が競合する。公明の地方議員は「５位当選は悲劇を招く」と警戒する。
◆自民２人擁立、立民も勝負の２人
　自民は２人擁立し、公明現職と合わせれば連立与党３人の戦い。自民県連会長の小泉進次郎前環境相は、自公連携を強調して「与党で４議席中三つを取る」と繰り返す。陣営には「勝率７５％を目指す厳しい戦いだ」と引き締めを図る。
　立民は党勢の伸び悩みが指摘される中で２人擁立する。県連内には「票が分散して５位どころか共倒れの懸念もある。１人に絞るべきだ」との声もあるが、県連代表の阿部知子衆院議員は「神奈川は立民の支持率が高い」と勝負をかける。

　非改選の現職がいない国民民主、共産、社民の各党は新人候補の擁立を決定。各陣営とも「順位にはこだわらない。１議席には違いない」とするが、４位以内に入れば３年後にさらに議席確保に挑戦できる。日本維新の会は、昨年夏に辞職した元職が再び出馬する。
　候補の乱立に加えて合併選挙という複雑なルール。横浜市中区の女性大学院生（２４）は「同じ当選なのに４、５位が僅差だったら、５位は任期が短くて気の毒」と話す。一方、同市港南区の女性会社員（４２）は「６年の任期があっても途中で辞めるかもしれない。３年しかなくても、それまでに成果を出してくれれば」と淡々と受け止めていた。

東京新聞　2022年6月5日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/181607