【入試】明治大・小野島真副学長「一般選抜の比率が早慶、MARCHで最も高い」 [七波羅探題★]

七波羅探題 ★

朝日新聞2022.03.22
https://www.asahi.com/edua/article/14574810

日本の大学入試は一般選抜（一般入試）に注目が集まりがちですが、総合型選抜（AO入試）や指定校推薦、付属校からの内部進学などがあり、各大学では入試区分ごとに入学後のGPA（成績評価）などの調査を行い、大学教育や入試改革に生かしています。一般選抜で毎年10万人規模の志願者を集め、日本一になった時期もある明治大学の小野島真副学長に、入試の現状や今後の課題などを聞きました。

■一般選抜7割、特別選抜3割
――明治大学は一般選抜の比率が高く、毎年10万人規模の志願者がいます。入試区分ごとの比率はどんな状況ですか。

一般選抜が約7割、総合型選抜（AO入試、自己推薦、公募制）と指定校推薦、付属校の内部推薦を合わせた特別選抜が約3割です。特別選抜3割の内訳は、総合型選抜、指定校推薦、付属校の内部推薦がそれぞれ1割です。一般選抜が7割というのは、早慶、MARCHの中では最も高いです。

――各大学では入試区分ごとにGPA（成績評価）や就職状況などの調査をしています。一般選抜の比率が高いというのは、一般選抜の評価がいいからだと思いますが、入試区分ごとの特徴はありますか。

一般選抜には学部別入試、全学部統一入試、共通テスト利用入試の三つがあります。それぞれの入学者の平均GPAには若干の違いはありますが、入学者数で言うと学部別入試5割、全学部統一入試1割、共通テスト利用入試1割と人数に差があるので、一概には言えません。さらに言えば、入学後のGPAは重要な指標ですが、それだけで各入試制度の評価が決まるわけでもありません。総合型選抜は一般的には学業成績が良くないというイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。付属・系列校の内部推薦も、評価が高くなっています。

――各入試区分の比率は現状くらいでいいと考えますか。

入試区分ごとの比率については、将来的にはわかりませんが、現時点で大きく変化することはないのではないかと思います。さらに言えば、学生の多様性を考えると、一般選抜だけでなく、多様な入試制度がある方が望ましいと思います。ただ、多様な入試を行うためには大学側の人的負担も大きくなってしまうので、悩ましいです。一方で、一般選抜についても様々な方式を増やしていくべきで、工夫していく必要があるのではないかと思います。すでに英語4技能試験をいくつかの学部別入試と全学部統一入試で活用しています。総合型選抜では、政治経済学部が国内外の受験生を対象に、グローバル型特別入試を行っており、総合問題と口頭試問で選考しています。国際日本学部は2022年度入試から自己推薦を始めました。こうした形式の入試も重視されており、今後、新たな取り組みが行われるかもしれませんが、その数が急激に増えることはないと思います。

■志願者数日本一は追わないのか
――明治大学は2010年度から4年連続で、一般入試の志願者数が日本一になった時期がありました。志願者数日本一はもう追わないのですか。

追わないわけではありませんが、志願者数を増やすことだけを目的に、入試制度を考えることはないと思います。

――一般選抜では、大学入学共通テストが始まった21年度入試で、早稲田や上智、青山学院、立教などが入試方法を大きく変えました。明治が変えなかったのは、なぜですか。

共通テストの内容がどうなるかわからなかったことと、新しい学習指導要領による入試は25年度からなので、変える必要はないと判断しました。

――新課程の25年度入試は、どうしますか。

学内で議論を始めています。しかし、「論理国語」「探究」など今までにない科目があるので、教科書などを見てみないと、入試問題の出題方針を決めるのが困難です。そのほか、21年度入試で積み残した課題としては、主体性、多様性、協働性の評価もあります。

――どの大学にも共通するのは、一定の基礎学力があり、自大学の志望度が高い学生が欲しいということです。

少子化が進行していますが、ありがたいことに、明治大学はまだ10万人規模の志願者がいます。実志願者数（複数学部を併願しても1人と計算）も昨年度は1位でしたし、多くの受験生に魅力を感じてもらえていると思います。また、入学者の学力面でも、特に問題は感じていません。
(一部略)