【世界情勢】プーチンがウクライナを侵略した「3つの理由」 [上級国民★]

上級国民 ★

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1917年2～10月のロシア革命でペトログラードを行進するデモ隊（Ｃ）Album／Quintlox／共同イメージズ

プーチンがウクライナを侵略した「3つの理由」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/302851

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　こういう言い方は乱暴だといわれるかも知れないが、ソ連は人類初の社会主義体制を試みた国家として、歴史に名を刻まれている。社会主義体制とは人為的な理論の実践ということでもある。1917年に初めて人類史に登場して、20世紀を徘徊した魔物ではなかったかと思われる。人類はこの歴史的体制に向かい、やがてあらゆる矛盾を克服した共産主義社会を実現するというのが、歴史発展の法則であるとも叫ばれた。

　ソ連はその歴史の先頭を走る先駆的な国家と評された。日本の知識階級の中にも結果的にこの論の忠実な信奉者となり、ある人は人生を懸け、またある人はその運動に入りたいと思いつつも挫折したりと各様の姿を描いている。むろん近代日本はこの体制に反対して過酷な弾圧の体制を敷いたわけだが、そこからいくつもの光景が生まれたことは周知の通りである。戦争と革命は、20世紀に通底する流れであり、虐殺と粛清はそれに伴う非人道的な行為そのものであった。

　こうした20世紀の構図に最大の関わりを持った国といえば、ドイツとソ連であったと言えるだろう。ヒトラーとスターリンに代表される国家は20世紀のある時期に、この世紀のもっとも過酷な部分を代表していた。しかしドイツはそうした部分を全て払拭することで、新しい世紀に入った。ところがソ連（解体後のロシア）は、今回プーチンの「侵略戦争」を検証すると、20世紀型の構図に自省がないことを見事なまでに示しているのではないだろうか。なぜだろう、というのが次に浮かぶ疑問である。

　この疑問についてもさまざまな受け止め方ができる。さしあたり次の3点を指摘しておくとわかりやすいように思う。

1、ソ連は20世紀の戦争で最終的に敗戦体験が希薄であった。
2、独裁権力が名目を変えつつ存在し続け、その個性が国家の性格となった。

3、ロシアの国民、共和国の国民、同盟国、衛星国の国民を暴力的に支配した。

　私は、ソ連邦が崩壊した時に何度かモスクワなどに赴き、ロシアの庶民の素直、実直、そして生真面目さになるほどと頷いた。社会主義体制はこういう真面目さを利用したのではないかと思った。社会主義的体制の崩壊にしても国民の側からというより、ゴルバチョフなどの指導部から起こった。そして今、プーチンはこの3条件を踏み台にしているのである。（つづく）