子どもへのワクチン接種巡り議論二分　2月にも5～11歳接種開始 [蚤の市★]

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　子どもへのワクチン接種巡り議論二分　「努力義務」には慎重論根強く　2月にも5～11歳接種開始

　新型コロナウイルスワクチンの接種対象を５～１１歳に広げる議論が、厚生労働省の分科会で進められている。子どもは無症状や軽症で済むことが多いのに副反応のリスクがあるなどとして、１２歳以上と同じ「努力義務」まで課すことには慎重論が根強い。近く開かれる見通しの分科会では、新変異株「オミクロン株」も念頭に議論をさらに深める。（池田悌一）

◆「子どもでも重い症状」意見の一方で慎重論も
　１１月に始まった分科会の議論で、感染症などの専門家らから、５～１１歳を接種対象とすることに異論は出ていない。意見が割れるのは大人並みに推奨するか否か。「子どもでも、ただの風邪で片付けられない重い症状がある」との声が上がる一方、副反応リスクなどから「積極的に接種を勧めることには慎重であるべきだ」との意見も出た。
　予防接種法には「対象者は接種を受けるよう努めなければならない」とする努力義務規定があり、新型コロナワクチンでは妊婦を除く１２歳以上が該当。罰則はなく、厚労省予防接種室は「『選択の自由をより重視すべきだ』などの判断から例外的に規定を外すことはあり得る」と説明する。
　分科会の議論は、米ファイザーが５～１１歳を対象としたワクチンの承認を厚労省に申請したことでスタート。同省は既に全国の自治体に「早ければ来年２月ごろから接種を始める可能性がある」と伝えている。
　ファイザーの海外での臨床試験では、大人が使う量の３分の１を２回接種したところ、発症予防効果は９０・７％だった。深刻な副反応は報告されていない。
◆南アフリカでは5歳未満の感染多く
　議論の新たな要素に加わったのが、オミクロン株だ。世界で初めて確認された南アフリカでも、ワクチン接種の対象となっているのは１２歳以上。南ア医学研究評議会は今月３日、「子どもがオミクロン株に感染しやすいかは不明」としながらも、首都があるハウテン州の人口１０万人あたりの入院患者数は、年齢層別で５歳未満が６０歳以上に次ぎ２番目に多かったと公表した。
　しかし長崎大の森内浩幸教授（小児科学）は「日本と人口ピラミッド型が異なり、若年層の割合が高い。子どもが特に感染しやすいのではなく、オミクロン株の強い感染力を反映した数値だろう」とみる。
　各国に広がるオミクロン株へのワクチンの有効性ははっきりしていない。ただ、新潟大の斎藤昭彦教授（小児科学）は「いずれは接種をしていない世代に感染が偏る可能性がある。オミクロン株いかんにかかわらず、できるだけ接種した方がいい」と促す。
◆米国では11月から5～11歳に
　当事者らの意向はどうか。国立成育医療研究センターが９月に行ったアンケートでは、小学生の５５％がワクチン接種を「うけたい」、３８％が「うけたくない」と回答した。

　米国やイスラエルは11月から５～１１歳への接種を進めている。森内氏が着目するのは、接種者の多い米国のデータ。「接種後に心筋炎などの症状がどの程度出るのか、年明けには見えてくるはずだ」と考える。その上で「重い基礎疾患があるなど重症化リスクの高い子どもたちは迷わずワクチンを打った方がいいが、低リスクの子どもたちは急いで判断しなくてもいい。努力義務を課す必要はない」と強調した。

東京新聞　2021年12月17日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/149298

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