【池田市】滝沢新市長、フレッシュなイメージ通りの市政図れるか [蚤の市★]

蚤の市 ★

大阪・池田の滝沢新市長、フレッシュなイメージ通りの市政図れるか

　前市長が「サウナ問題」で辞職したことに伴い、4人が争う混戦となった大阪府池田市長選を制したのは、大阪維新の会の新人、滝沢智子氏（40）だった。8月29日に投開票されたこの選挙で、敗れた3人は前市長、当選6回の元市議、同10回の元市議。この“先輩格”の3人に対して、市議経験約2年の滝沢氏の強みとなったのは、「40歳女性」というフレッシュなイメージ。維新公認を取り付けたことが「プラス材料」になるか「マイナス材料」になるかは最後まで陣営内でも読みにくかったようだ。

　前市長の冨田裕樹氏（45）は2019年4月、維新公認で初当選。市役所に家庭用サウナを持ち込み問題になったことで離党。「一連の騒動を起こした責任とけじめをとる」と辞職した。

　今回冨田氏は無所属で出馬。維新代表の吉村洋文知事は「離党しているが、（前回）維新として公認した責任はある」と述べるなど「無関係」とは言えない状況だった。「今回の選挙には関わらず、しっかりおわびする」と候補者擁立を見送る声もあったという。しかし、冨田氏の市議時代に、その秘書を務めた滝沢氏が「無所属でも出る」と冨田氏に対抗して出る強い決意を見せたことが、維新を目覚めさせた。

　一方で4人のうち、他の候補者2人が「反維新」ながら一本化できず、票を二分させたことも滝沢氏に有利に働いた。

　惨敗した冨田氏が敗戦の弁でいみじくも語った。「政党政治に対して個人の力がこれほどかと痛感した」と。そして滝沢氏が票を集めた理由について「女性の社会進出への期待。女性の持つクリーンなイメージ。維新という政党政治の看板も大きく（票を）上乗せした」と語った。今回は衆院選を見据えて国会議員の動きも活発で「国政選挙の前哨戦」との声もささやかれた。

　滝沢氏は初登庁となった8月30日、当選証書を受けた後「選挙中、私に届いた声は批判的な声ではなく『維新を支持しているから頑張れ』『女性目線で池田をよくして』という声だった」と話した。市政は「イメージ」では乗り越えられない。この日から約1200人の市職員を率いて、10万人の市民を守る立場となった。市民の目が厳しくなるのはこれからだろう。【三角真理】

毎日新聞 2021/8/31 20:19（最終更新 8/31 20:19） 903文字
https://mainichi.jp/articles/20210831/k00/00m/010/298000c