【スーパールーズ】歌舞伎町ビル火災　娘２人の遺品が物語る２０年 [ぐれ★]

ぐれ ★

※産経ニュース2021/8/30 10:00

東京都新宿区歌舞伎町で平成１３年９月、雑居ビルから出火し４４人が死亡した火災は、９月１日で発生から２０年。最愛の娘２人を失った植田安子さん（６９）＝東京都豊島区＝が負った心の傷は癒えず、時は止まったままだ。放火の可能性が高いとされるが、特定には至っていない。「２０年間どんな気持ちで生きてきたのか」。犯人がいれば聞いてみたいと、娘たちの思い出の品を見るたびに思うという。

毎朝、植田さんは仏壇に手を合わせて語りかける。「今日も一日、お母さんに元気と力をちょうだい」。歌舞伎町のビル火災で亡くなった長女、愛子さん＝当時（２６）＝と次女の彩子（さいこ）さん＝同（２２）＝が仲良く写る遺影に、好きだった紅茶を供える。今も何かあれば、そばで２人が「お母さん頑張れ」と言っている気がするという。

今でも無力感
２人は、ビル４階の飲食店で一緒に働いているとき、火災に巻き込まれた。窓際で寄り添うように倒れていたという。死後１カ月は生きる気力が湧かず、酒を飲んでは吐き、夜は写真を抱いて眠った。

月命日は現場に行き４４本の花束を並べ、泣きながら駅まで帰った。「辛くて『もう行きたくない』と思っても、娘たちが待ってるからと６年くらい前まで通い続けた」

遺族を探し求めて全国を駆け回り、防火体制の不備を問われたビル所有会社役員らの刑事裁判にも通ったが、判決は執行猶予付き。放火の可能性が高いとされるが、犯人はおろか、火災原因の特定にも至っていない。消防法が改正されるなどしたが、違反はなくならない。今でも悔しさや無力感にさいなまれる。

終活で遺品整理
縫いぐるみ、写真、アクセサリー…。今年３月、自身の「終活」の一つとして、少しずつ遺品整理を始めた。火災後、２人が共同生活していたアパートから運び出したが、手付かずのままだった。一つ一つ目を通していると時間を忘れた。「ごめんね」と心の中で謝りながら袋に詰めた。

植田愛子さんと彩子さんが愛用していた財布やアクセサリーなどを母親の安子さんは、大切に保管してきた（王美慧撮影）
２人が愛用していた財布やバッグなどは形見として持ち歩いている。愛子さんが火災当時に持っていた皮財布や彩子さんの小銭入れ。数年前まで使っていた赤い布バッグは色あせ、継ぎはぎだらけの生地が２０年の歳月を物語る。携帯番号は、愛子さんの番号を引き継ぎ、今も使っている。

この２０年間について、植田さんは「気持ちも何もかも当時のままなのよ」とやりきれない思いを漏らす。「この火災は、どこを責めて気持ちをどこにぶつけていいのか。分からないことが一番きつい」。植田さんは犯人逮捕といった解決を待ち望んでいる。

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産経ニュース: 歌舞伎町ビル火災娘２人の遺品が物語る２０年.
https://www.sankei.com/article/20210830-CX2GE34TBFNU3AL76X2STB77IY/

【スーパールーズ】歌舞伎町ビル火災 娘２人の遺品が物語る２０年 [ぐれ★]

【スーパールーズ】歌舞伎町ビル火災　娘２人の遺品が物語る２０年 [ぐれ★]