山梨キャンプ場不明女児、9歳に　帰り待つ母「誕生日祝いたい」 [どどん★]

どどん ★

　２０１９年９月に山梨県道志村のキャンプ場で行方不明になった小倉美咲さんが１３日、９歳の誕生日を迎える。有力な手がかりがつかめない中、母とも子さん（３８）＝千葉県成田市＝や家族は不安と向き合いながら、美咲さんの帰りを待っている。【田中綾乃】

　誕生日は毎年、祖父母と食事やケーキを囲んだり、ディズニーランドに遊びに行ったりして祝った。とも子さんは今年も美咲さんが好きなチョコレートケーキを小学校６年の長女（１１）と作るつもりだ。「戻ってきた美咲と一緒に作って、ケーキが１個じゃ足りないくらい人を呼んでお祝いしたい」と話す。

　美咲さんがいなくなってから、不安や捜索活動で憔悴（しょうすい）した。インターネット上で「娘が行方不明なのに美容院に行けるんだ」などと中傷を受け、目立たないよう化粧も控えた。しかし、１年がたったころ、取材を受けたテレビ番組の放送で、疲れ切った自身の姿を見た。「美咲がどこかで今の私の姿を見たら悲しむんじゃないか」。そう考えて再び化粧を始めた。「『大好きなママが私のせいで暗くなってしまった』と思わないようにしなければ」と気持ちを奮う。

　長女は妹がいなくなってから、毎週のように捜索やチラシ配りのために出かける母親を見て「山梨は嫌い。ママも美咲も山梨にとられた」とふさぐことが多くなった。しかし先月、長女を元気づけようと、どこに遊びに行きたいか尋ねると「山梨に行きたい」との答えが返ってきた。「長女も前向きになろうとしてくれている」と受け止める。

　美咲さんはよく折り紙で花を折り、とも子さんにプレゼントしてくれた。行方不明になる前の７歳の誕生日の前には、母の日に「ありがとう」とメッセージを書いた花をくれた。花はいくつもたまり花束のようになった。だから、母の日と誕生日が続く５月は会えないつらさが増す。「母の日までには」「誕生日までには」。そう信じているが時折「もしかしたら厳しいんじゃないか」と不安が頭をよぎり「恐怖のよう」と打ち明ける。

　それでも、今月も道志村や千葉県内で捜索活動への協力を呼びかけるチラシ配りをした。かつて家族で遊びに行った山梨に、再び美咲さんと一緒に行ける日を信じている。

　情報提供は大月署へ。

毎日新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/dd8db244b8d9c4975ca9277da0541233b2758918
美咲さんからプレゼントされた折り紙の花束を見つめるとも子さん＝千葉県成田市の自宅で２０２１年４月２８日、田中綾乃撮影
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