担当課は5人…五輪事前キャンプ地悲鳴「小さな町には対応困難」 [蚤の市★]

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　東京オリンピックのサーフィン競技会場となる千葉県一宮町が、事前キャンプを予定する外国代表チームの受け入れを巡り苦慮している。新型コロナウイルス感染対策で調整が進まないためで、「小さな町だけでは対応しきれない」と音を上げている。また、県内では感染症対策を理由に各国の事前キャンプの中止を余儀なくされる自治体も相次いでいる。【金沢衛】

　一宮町によると、ブラジルオリンピック委員会から事前キャンプの相談があり、４月上旬に担当者が来日し県を交えて協議が行われた。ブラジル側からは、競技の１カ月前から選手ら１０人が町内のホテルに宿泊し、海で練習する計画が示された。ホストタウンではない同町のコロナ禍での事前キャンプを町では想定しておらず慌てた。

　五輪選手受け入れにあたり、新型コロナウイルス感染対策として内閣官房が「マニュアル」を作成しており、選手の行動や受け入れ態勢などの細かな規定を事前に取り決める必要がある。町によると、検査態勢の確保や、宿泊施設での専用スペース、選手外出時の職員同行の必要性など課題が多いという。さらに、練習場は関係者以外が立ち入れない貸し切り施設が原則だが、海岸法で海の占有利用は町では決められない。

　東京都内の選手村から離れた同町内では、他に米国など複数が宿泊を予定しており、大会が近づく中で各国から事前キャンプの申し出が予想される。大会には１０カ国以上が出場する見込みで、町は国ごとに受け入れの取り決めを迫られる。

　町担当者は「受け入れに向けて対応したいが、開幕への時間も短く、５人しかいない担当課で各国個別に対応していくのは難しい。組織委や県などに対応を求めている」と話している。

　一方、コロナで事前キャンプの中止も出ている。中米・ベリーズのホストタウンの横芝光町は４月３０日、予定した同国選手団の事前キャンプを中止すると発表した。町担当者によると「住民の感染対策もある中で、選手を安全に安心して迎えることができない」と判断した。約１０人の選手団を想定したが、選手らは直接、都内の選手村に入るという。

　長柄町はロシアの個人資格参加のフェンシングチーム７６人を、大会の約２週間前から町内の民間複合施設で受け入れる準備を進めていたが、ロシア側から中止の申し出があった。日本の受け入れ態勢などを考慮し、自国の安全な地域で練習し、直接、競技に臨むと伝えてきたという。町の担当者は「交流の機会が失われて残念だが、今後のつながりは大切にしたい」と話した。

毎日新聞 2021/5/1 11:00（最終更新 5/1 11:00）
https://mainichi.jp/articles/20210501/k00/00m/050/045000c