【脳科学】脳卒中後の損傷した脳組織を修復するための新技術を確立 [猪木いっぱい★]

猪木いっぱい ★

虚血性脳卒中の数日後に投与された場合でも、患者が回復するのを助ける技術となりえます。

ほとんどの脳卒中の犠牲者は、脳の損傷を防ぐのに十分な速さで治療を受けていません。

オハイオ州立大学の科学者は、損傷した脳組織の修復を助けるために細胞を「再訓練」する技術を開発しました。
これは、虚血性脳卒中の数日後に投与された場合でも、いつか患者が発話、認知、運動機能を取り戻すのに役立つ可能性があります。

オハイオ州の大学の研究者医学と工学の細胞に遺伝物質を導入する組織nanotransfection（TNT）と呼ばれる大学で作成されたプロセスを使用します。
これにより、皮膚細胞を再プログラムして、損傷した脳組織を修復するのに役立つ、別の何か（この場合は血管細胞）にすることができます。

このマウスの研究では、細胞は特定の遺伝子で「事前調整」され、脳卒中の影響を受けた脳に注入され、損傷した脳組織の再プログラミングと修復によって新しい血管の形成を促進しました。

「皮膚細胞の遺伝情報を書き換えて血管細胞にすることができます」と、研究を主導しているオハイオ州立大学の医用生体工学のガレゴペレス博士は述べています。
「それらが脳に配置されると、新しい健康な血管組織を成長させて、正常な血液供給を回復し、損傷した脳組織の修復を助けることができます。」

研究者は、細胞療法で治療されたマウスが運動機能の90％を取り戻したことを発見しました。MRIスキャンは、脳の損傷した領域が数週間以内に修復されたことを示しました。

「患部に注入されている細胞は、損傷した脳組織の回復に役立つ小胞の形で治癒シグナルも放出するため、マウスの回復率が高いことがわかりました」と、オハイオ州立大学で生物医学のカストロ博士は述べています。

40秒ごとに、米国の誰かが脳卒中を患っています。これは世界で2番目に多い死因であり、生き残った人々はしばしば不可逆的な脳損傷を起こし、麻痺、言語障害、運動機能の喪失を引き起こします。
脳卒中によって引き起こされる脳組織への持続的で衰弱させる損傷に対処するための治療法は存在しません。

医学の進歩により、医師は脳内の血栓をより早く除去し、転帰を改善することができましたが、これは脳卒中から数時間以内に脳組織が死ぬ前に行われた場合にのみ効果的です。

虚血性脳卒中患者の約80％は、発話、認知、運動機能の永続的な障害を防ぐために、時間内に血栓破壊療法を受けていません。

オハイオ州立大学神経学研究所のメンバーであり、研究の共著者であるオハイオ州立大学ウェクスナー医療センターの脳神経外科医であるニムジー博士は、次のように述べています。
「私たちは今、脳機能を回復するために細胞を再生する機会があるかもしれないことを学んでいます。」

研究者たちはこのアプローチの研究を続けており、アルツハイマー病や自己免疫疾患などの脳障害を治療するためのこのテクノロジーの他の潜在的な用途も模索しています。

オハイオ州立大学の研究チームは、医用生体工学、脳神経外科、生物学、栄養学、神経科学、神経学、外科、および生物医科学の大学院プログラムの各部門にまたがっています。

チームには、アトランタのジョージア工科大学、コロンビアのボゴタにあるコロンビア国立大学、インディアナポリスのインディアナ大学医学部の科学者も含まれています。

この研究は、国立神経疾患・脳卒中研究所および国立生物医学画像および生物工学研究所からの助成金によって資金提供されています。

gooqle一部割愛全文はリンク先へ
https://news.osu.edu/new-technology-retrains-cells-to-repair-damaged-brain-tissue-in-mice-after-stroke/
参考画像
https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2Fcontent%2Fpic%2F20191102%2F96958A9F889DE7E3E7E1EBEBE3E2E0EBE3E2E0E2E3EBE2E2E2E2E2E2-DSXZZO5154255029102019000000-PB1-2.jpg