【速報】内航黒油タンカー逼迫。寒波襲来、電力不足で緊急輸送 [ブギー★]

ブギー ★

寒波による電力需要急増で、西日本を中心に石油火力発電所向けの内航黒油タンカーの船腹需給が逼迫（ひっぱく）している。電力会社の緊急輸送ニーズを背景に、石油元売りや商社などが内航タンカー船社に対してスポット配船を要請。ただ、黒油タンカーは近年の石油火力向け需要減少で減船が進行し、電力会社が抱える専航船が大半を占めるため、スポット船腹に余裕がないのが現状だ。緊急措置として「ケミカルタンカーを発電所向け黒油輸送に一時的に振り向ける対応も出てきている」（内航関係者）という。

「西日本向けの輸送ニーズが特に高まり、商社などから引き合いが来ている。船腹に余裕がない状況だが、何とか手配できるようにしている」

　ある内航タンカー船社営業担当者は需給が逼迫する現状をこのように説明する。

　電力各社は想定外の寒波襲来の中、発電燃料のLNG（液化天然ガス）不足に直面。普段運転していない石油火力発電所などの稼働を図るため、石油元売り、商社などを通じて燃料と輸送船腹の調達を進めている。

　黒油タンカーは現状、一部電力会社が必要船腹量を専航船として抱えている。発電所向け黒油タンカーは5000キロリットル積みが主力で、一部2000キロリットル積みも使われる。

　内航黒油タンカーは減少傾向が続く。東日本大震災直後に石油火力の緊急需要が生じたが、その後は発電コストが高い石油火力からLNG火力にシフトが進んだことで輸送量が激減。「東日本大震災後の増加時から比べれば、4割程度船腹が減少している」（内航タンカー船社）という。

　黒油船のフリー船自体は一定数存在するものの、「他の用途のために使われている船で石油火力向け輸送用ではない。今すぐにスポット配船することはなかなか難しいのが現状」（内航関係者）という。

https://www.jmd.co.jp/article.php?no=264103