【山形県】ひとり親家庭、困窮あらわ　「収入減」４割、「支出増」７割 [蚤の市★]

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　新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県内のひとり親家庭の4割で拡大前より収入が減り、7割以上で家計の支出が増えたことが17日、県の実態調査で明らかになった。休業などが家計を直撃した一方、「巣ごもり生活」で食費や光熱費などが増加したとみられる。減収分は今後も回復しないとする家庭が3割を超えており、生活困窮の長期化懸念の広がりが浮き彫りになった。

　県はコロナ禍の中、ひとり親家庭の暮らしへの影響や支援ニーズなどを把握するため、7月10日～8月31日に独自のアンケートを実施した。県内在住の約7千人の児童扶養手当受給者を対象とし、計1215人から回答を得た。内訳は母子家庭1161人（95.56％）、父子家庭54人（4.44％）。

　新型コロナの影響による減収は481人（39.59％）に上り、厳しい現状が示された。増収は9人（0.74％）にとどまり、変化なしは675人（55.56％）だった。収入が減った世帯のうち1カ月の減収幅は「1万～4万9999円」が最多の303人（62.99％）、「5万～9万9999円」が86人（17.88％）と続いた。

　5月の緊急事態宣言の解除後、収入の変化は「まだ戻っていない。今後も戻らないと思う」が157人（32.64％）と最多の3割を超え、先行きを不安視していることが分かった。職場の休業などで勤務時間や有給の自宅待機が減ったほか、元配偶者から養育費が支払われなくなったとの回答もあった。

　一方、家計の支出は903人（74.32％）が増えたと回答した。変化なしが260人（21.40％）、減少は50人（4.12％）。支出が増えた世帯のうち1カ月の増加幅は「1万～4万9999円」が741人（82.06％）で最多となり、次いで「9999円以下」が111人（12.29％）。巣ごもり生活が続いて食費や光熱費がかさみ、マスクや消毒液など衛生用品費も増えている。

　収支悪化への対応では多くが節約や貯蓄の取り崩しを選択したが、知人や金融機関に借金をしたほか、生活福祉資金貸付を活用した人もいた。不安に思うこと（複数回答可）は生活費が674人（55.47％）で半数以上を占め、新型コロナの感染が549人（45.19％）を上回った。

　県子ども家庭課の担当者は「ひとり親家庭は生活で影響を受けやすい。元配偶者から養育費をもらえないとの声もあり、深刻な生活実態が分かった」とし、「生活費に次いで不安視しているのは感染リスクだった。感染が養育や雇用などの問題に発展する可能性を懸念していると思われる」と分析した。

山形新聞　2020/11/18 10:38
https://www.yamagata-np.jp/news/202011/18/kj_2020111800359.php

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