【奈良】「ごみ収集の入札は違法」　香芝市ごみ収集事業の入札巡る住民訴訟、最高裁が市側の上告を退ける決定…市の敗訴が確定 [樽悶★]

樽悶 ★

香芝市が行ったごみ収集事業の入札で、契約する業者が事前に決まっていて違法だと住民らが訴えた裁判で、最高裁判所は市側の上告を退ける決定をし、市に対して業者に委託料の返還を求めるよう命じた判決が確定しました。

香芝市は家庭ごみの収集事業について「指名型プロポーザル」と呼ばれる入札を経て、平成２８年に市内の業者に委託しましたが、地元の住民らは、「入札は形だけで契約する業者が事前に決まっていて違法だ」と訴えました。

１審と２審はいずれも、「業者は入札の募集が行われる前からごみ収集車を用意し、募集内容に合わせた塗装まで行うなど、契約の前に委託が内定していたとみられ、契約は違法だ」などと指摘し、市に対して、業者にすでに支払った委託料の返還を求めることと、業者への支払いの差し止めを命じていました。

これに対して市側が上告していましたが、最高裁判所第３小法廷の林景一裁判長は、１０日までに上告を退ける決定をし、市の敗訴が確定しました。

この問題をめぐっては大阪地検特捜部がことし７月、官製談合防止法違反の疑いで、業者や関係する市議会議員の自宅などを捜索し、捜査を進めています。

香芝市の敗訴が確定したことを受けて福岡憲宏市長は「真摯（しんし）に受け止め、支払い済みの委託金額の返還請求など、確定した判決内容の履行を速やかに実施したい。また、ごみ収集運搬業務は日常生活に密着した業務であるため、早急に体制を整えて市直営で収集センターの職員が行い、市民生活に影響が出ないことを最優先に対処していきたい」とコメントしました。

【ごみ収集事業入札問題経緯】

香芝市によりますと、問題となっているごみ収集事業の入札は、平成２８年２月に業者の提案内容などに基づいて決める「指名型プロポーザル方式」で行われました。

審査は、当時の副市長や部長など市の幹部５人が担当し、参加した６つの業者の提案内容や実績など評価しました。

その結果、ＡＭカンパニーが最も高い評価を受け、市は、１か月およそ３７０万円、５年間の契約でごみ収集の業務を委託しました。

しかし、入札からＡＭカンパニーに委託するまでの一連の流れのなかで、不自然な点がいくつも浮かび上がりました。

まず、プロポーザルの実施が業者に通知されたのは平成２８年１月にも関わらず、ＡＭカンパニーは、それより前の平成２７年８月ごろから中古のごみ収集車２台を探すよう自動車販売店に依頼していました。

また、平成２７年の９月から１２月にかけ、車で流す音楽を実際の仕様で通知された「赤とんぼ」や「エリーゼのために」とするほか、「香芝市一般家庭ごみ収集運搬業務委託車両」と書かれたフィルムを車体に掲げるよう販売店に指示していました。

こうした不自然な点について、４年前、入札は出来レースだった疑いがあるとして、住民が委託料の返還などを求める訴えを起こしました。

１審の奈良地裁は、判決でこうした事実を認定したうえで、「ＡＭカンパニーはごみ収集のプロポーザルが行われることや車の仕様について事前に知っていたと認められる。また、参加者へのプロポーザルの通知から提案書の受け付け終了まで２週間程度しか与えられなかったことなども考えると、ＡＭカンパニーが選ばれることがあらかじめ内定していたと推認される」と指摘して、契約を無効とし、市に対し、委託料の返還を業者に求めることなどを命じました。

市は判決を不服として控訴しましたが、２審でも敗訴し、上告していましたが、最高裁判所は、市側の上告を退ける決定をし、市に対して業者に委託料の返還を求めるよう命じた判決が確定しました。

また、この問題をめぐっては、大阪地検特捜部も、ことし７月、官製談合防止法違反などの疑いで、関係者の自宅を家宅捜索するなど捜査しています。

09月11日 09時13分
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20200911/2050005228.html
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【奈良】「ごみ収集の入札は違法」 香芝市ごみ収集事業の入札巡る住民訴訟、最高裁が市側の上告を退ける決定…市の敗訴が確定 [樽悶★]

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