「きれいな空気」求めて　伸びる空気清浄機出荷台数　メーカーは増産モード [蚤の市★]

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　新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感が再び強まる中、大手電機メーカーの空気清浄機の売れ行きが好調だ。家やオフィスで「きれいな空気」を保とうとする消費者の意識の高まりから、4月以降の出荷台数が前年比2倍に伸びたケースもある。ただ、新型コロナに対する除菌効果は検証されていないため、メーカーの担当者は「エアコンと併用中も窓を閉め切らず、こまめな換気をしてほしい」と呼び掛けている。

　シャープはプラスとマイナスのイオンを放出し、空気中に浮遊する細菌の作用を抑える独自技術「プラズマクラスター」を搭載した空気清浄機が人気だ。6万～8万円台の機種を中心に4～6月の出荷額が前年比約2倍に伸びた。担当者は「自宅での使用や、テレワークを導入できない中小企業がオフィスでの感染対策として購入している」と語る。

　ダイキン工業も代表機種「うるるとさらら空気清浄機」などの出荷台数が5～6月で前年比約2倍に増加した。中国の委託先の工場で全量を生産しているが、需要の高まりを受けてマレーシアや国内での生産ラインの新設も検討している。

　一方、パナソニックは次亜塩素酸を放出して除菌する機種「ジアイーノ」の受注を4月からやめている。価格は15万円前後と高めだが、想定を上回る注文で部品が足りなくなり生産が追いつかないという。担当者は「需要に応えられるよう生産体制を強化している」と語り、受注再開は10月になる見込みだ。

「上手な換気の方法」も参考に
　メーカー側は、新型コロナの感染拡大で「清潔な空気」を求める人が増えているとみている。国が幼稚園や学校で使う感染対策向けの備品購入に補助金を出したことも販売を後押ししたとみられる。ただ、注意しなければいけないが、現時点では各メーカーの空気清浄機の性能で、新型コロナの除菌効果は検証されていない。大手メーカーの担当者は「大学と連携して新型コロナへの効果を確かめる実験は進めている」と話す。

　また、本格的な夏の到来とともにエアコンと空気清浄機の同時使用で部屋の窓を閉め切るケースも想定されるが、いずれも換気機能はついていないため、感染対策上からも換気が必要になる。ダイキンは4月からホームページ上に「上手な換気の方法」を掲載。「1時間に5～10分ほど窓を開ける」「対角線上の2カ所の窓を使い、扇風機を窓の外に向けて設置すると効果的」などとポイントを伝えている。【杉山雄飛】

毎日新聞2020年7月9日 08時00分(最終更新 7月9日 08時00分)
https://mainichi.jp/articles/20200708/k00/00m/020/352000c

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