【中古車値崩れの影響】日系大手3社で減益4000億円も　米中古車価格が急落 [蚤の市★]

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　新型コロナウイルスの感染拡大で、自動車の主要市場となる米国では新車だけでなく中古車の売れ行きも落ち込み、価格が急落している。実は米国での中古車価格の下落は、自動車メーカーにも打撃となる。日系企業にとっても新たな懸念材料になってきた。

　中古車オークション大手の米マンハイムは17日、米国の中古車価格の動向を示す「マンハイム指数」が4月半ばの時点で前年同月より9・6%下がり、125・2になったと発表した。このままだと、4月の下落率はリーマン・ショック直後の2008年11月の5・5%を超え、単月で過去最大となる可能性がある。

　これを受け、米JPモルガンのアナリストは20日、米ゼネラル・モーターズ（GM）やフォードで自動車ローンやリースを扱う部門に巨額の損失が出る可能性を指摘した。

　中古車価格の下落が損失につながる理由は、米国では個人への販売がリースの形を取ることが多いためだ。決まった期間、車を貸し出すような仕組みで、例えば3年後に自動車会社側が車を引き取る価格をあらかじめ決め、消費者はその価格をもともとの販売価格から差し引いた金額を分割し、毎月支払う。

　中古車価格が急落すると、自動車会社が引き取る車の価値が当初決めた価格より大きく下がるため、損失になる。リーマン・ショック時には、これが自動車会社の経営を直撃した。

　16年にも一時的に中古車価格が落ちて各社の減益につながったが、すぐに価格が回復して損失は限定的で済んだ。長い目で見れば中古車価格はリーマン以降上り調子で、08年末に98ほどだった同指数は、今年3月には140超に高まっていた。

　日系大手への影響も避けられない。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の杉本浩一氏は、今回の下落がトヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の大手3社で計4200億円の減益要因になると試算する。損失は4年かけて計上するとみるが、自動車販売による利益が少なければ打撃も大きい。

　業績が低迷する日産自動車は20年3月期の営業利益を850億円と予想（2月段階）しているが、杉本氏はこの期に日産が中古車価格下落による損失を260億円計上すると試算する。感染拡大による新車販売減などで下ぶれが濃厚な中、さらなる損失計上は痛手だ。

　すぐに価格が上がれば影響は限られるが、杉本氏は「やがて価格は戻ると思うものの、いつになるか見通しがつかない。楽観はできない」と話す。

　日本でも近年、個人向けリースや「残価設定ローン」など、同様の損が出る可能性がある売り方が広まってきている。米国に比べるとまだリスクは低めというのが業界関係者の見方だが、国内でも中古車価格の急落に備えたリスク管理が重要になりそうだ。（友田雄大）

朝日新聞2020年4月28日 7時00分
https://digital.asahi.com/articles/ASN4W6KWLN4QULFA00J.html

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