【正しいの概念とは？】アジアの「コロナ対策」が欧米より成功している理由─決め手は「あの思想」

ちーたろlove&peace ★

もう哲学的宇宙論しかない🛸💫💫💫

2020.4.20
厳しい都市封鎖も外出禁止令もなし

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の猛威が止まらない。2020年4月20日時点で、世界の感染者数は237万人、死者数は16万人を超えた。

特に感染が広がる欧米では、11日にイタリアが、13日にフランスが相次いで外出禁止令を延長。16日にはアメリカで死者数が3万人を超えるなど混迷を深めている。

その一方で、アジアでは小康状態を取り戻しつつある国・地域も多い。

コロナ対策の成功例の筆頭にあがる台湾では4月14日、36日ぶりに新規感染者がゼロになり、韓国でも4月19日に一桁台にまで落ち着いた。一時は危機的な状況に陥った中国でも4月8日に武漢の都市封鎖が終わり、経済活動を再開する準備が進められている。

また、前述の台湾、韓国のほか香港、シンガポールなど、アジアでは初期段階で欧米のような厳しい都市封鎖や外出禁止令を出さずに、危機を脱した国・地域が多い。

では、いったいなぜアジアのコロナ対策は欧米に比べてうまくいっているのだろう。

早期に「検査」と「隔離」を徹底

台湾は、2019年12月末に武漢で新型ウイルスの症例が発生したという情報を掴むやいなや、すぐに対策センターを設立。マスクなど防護具の生産を増強し、中国本土からの航空機の渡航を規制した。さらに、感染者や濃厚接触者、海外帰国者の14日間の隔離を徹底するなどの措置をとり、被害を最小限に抑えた。

また、IT技術を駆使してマスクの在庫状況などが確認できるシステムや、実名購入制度などを採り入れて買い占めを阻止。4月1日には、台湾の蔡英文総統が1000万枚のマスクを状況が深刻な国・地域に寄付すると発表し、世界から称賛を浴びた。

このように、アジア諸国・地域が有効な対策を迅速に講じていたことが、早期に感染拡大を落ちつかせた最大の理由だろう。だが、韓国人哲学者のハン・ビョンチュルはこれに加え、さらに二つの要因を香港メディア「アジア・タイムズ」であげている。

東洋思想が支えに

そのひとつが、アジアの文化や習慣の根底にある儒教や仏教、老荘思想だ。

ハンはこうした東洋思想の影響のせいで「アジア人は欧州の人間に比べて反抗心がなく、従順で国家を信頼している。また、日常的に秩序を持って集団行動をするように教育されている」と指摘。こうした国民性が、コロナ対策の実効性を高めたと主張する。

たとえば老荘思想には、いまあるものに人為的に何かを加えることはせず、自然にまかせて生きることを推奨する「無為自然」という考え方がある。こうした思想を持つからこそ、アジア人はパンデミックに抗わずに自宅待機にも素直に従い、自主的に社会的距離もとるのだとハンは分析する。

また、仏教には「永遠に変わらないものはない。これを知る者は苦しみから逃れられる」という教えが、儒教には「もし目標が達成できないようであれば、目標ではなくそのための行動を改善せよ」という教えがある。こうした教えは先の見えない感染症との戦いにおいて、状況を深く省みて、冷静な判断を下す助けをしてくれる。
https://courrier.jp/news/archives/197552/