【フィリピン在住邦人】10万円給付対象は「詳細未定」と日本大使館、在比邦人「払われるべき」

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　日本政府は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済対策として国民１人当たり一律10万円を給付することを決めた。では、この支給対象には、在比邦人を含む海外在住者は含まれるのか。在比日本大使館の見解と在比邦人の意見を聞いた。

　在比日本大使館は、海外居住者への支給について、まにら新聞の取材に「支給対象や仕組みの詳細がまだ決まっていない。原則が決まった後も国会での議論などでも変わる可能性がある」ため「未定」とした。その上で「今後、財務省や外務省に確認していく」と話した。

　時事通信によると、西村康稔経済再生担当相は19日のフジテレビ番組で、一律10万円給付の方法について「住民基本台帳をベースに、日本に住んで住民票のある人を確定し、（申請書類を）送らせてもらう」と述べた。対象には外国人登録をしている外国人も含まれるもようだが、この方式の場合は海外居住の日本人は支給から外れる可能性が高い。

　これに対し、首都圏マカティ市に住む駐在員の男性（39）は「比に住む日本人もコロナ禍で仕事や生活面で大きな打撃を受けている。日本に住民票はないが、現在も所得税は日本に支払っている。すべての国民という以上、大使館などを通じて海外居住者にも当然、支払われるべきだ」と訴えた。

　マニラ市で飲食店を経営する男性（65）は「防疫強化で店は休業、収入がまったくなり、家賃などの出費だけ続いている状態。それでも自分はまだいい方で、知人の中には仕事を失い、本当に困窮状態にある人もいる」と述べた。10万円の支給については「あまり期待はしていないが、もらえれば非常にありがたい。救われる人も多いと思う」と話した。

　現金給付をめぐって日本政府は当初、減収世帯に30万円を支給することをいったんは閣議決定したが、その後、国民１人当たり一律10万円の給付に急きょ切り替えた。（石山永一郎）

2020.4.20
http://www.manila-shimbun.com/column/opinions/news250891.html