【JX通信社】全国の感染状況、マップで身近に　1900人分掲載　「自覚ある行動につなげて」

孤高の旅人 ★

全国の感染状況、マップで身近に　1900人分掲載　「自覚ある行動につなげて」
毎日新聞2020年4月18日 05時30分(最終更新 4月18日 08時31分)

　ニュース速報の配信や世論調査を手掛ける報道ベンチャー企業「JX通信社」（東京都千代田区）は、感染者が確認された施設を地図上に示して利用者に通知するサービスを始めた。感染者が発生した企業や自治体からの広報資料を集約し、利用者のスマートフォンの画面などに、どこで、いつ、何人の感染者が発生したかが表示される。コンビニやスーパー、商業施設など身近な施設が多く含まれており、同社の広報担当者は「感染事例が身近にあることを知り、感染を広げないという自覚を持った行動につなげてほしい」と話している。【木許はるみ/統合デジタル取材センター】
　開発のきっかけは、公的機関や企業などの情報発信方法がばらばらのため、利用者が一目でわかるような仕組みの必要性があったからという。またネットでは「〇〇施設で感染者が出た」といったデマや真偽不明な情報が出回っているため、正確な配信が必要だと判断した。
　自社の情報提供アプリ「NewsDigest」の新型肺炎のコーナーで、感染状況をマップで公開している。感染事例が確認された場所をマップ上に記し、該当の場所をクリックすると、施設名、住所、感染者数、感染情報の公表日、消毒済みの情報の有無が表示される仕組み。利用者は自分の行動範囲のなかに、感染した施設があるかを簡単に確認できる。
　同社は、厚生労働省や自治体などの行政機関、企業や飲食店、大学や医療機関などが公表した感染情報について、人工知能（AI）などを使って取得。さらに、スタッフが24時間体制で手作業で最終確認した上で、マップに掲載している。15日午後2時20分時点で、感染場所が確認できた951施設、計1904人分を掲載している。

　同社広報の永見佳子さんは「感染した施設などがマッピングされた画面を見れば、利用者が『自分も感染場所に立ち寄っているかもしれない』という自覚につながり、『人が密集している場所には行かないでおこう』と行動が変わってくると思います」と語る。
　マッピングは利用者には便利な情報ではあるが、その半面、感染者が出た施設にとっては、もしウェブ上などに情報が長期間残れば消毒など万全の対策をしていても、風評被害を受ける恐れがある。同社はこの点を配慮し、マップには各施設が消毒済みかどうかを掲載し、1週間程度の一定期間が経過した後は、情報を削除する方針という。さらに、新型コロナウイルスの終息後、感染した施設の情報がネット上に残りにくくするため、マップの掲載はアプリ内のみにとどめている。
　「NewsDigest」は2010年に発表された。20年3月上旬までのダウンロード数は約180万件だったが、今年4月2日に新型コロナウイルスのマップの情報を公開して以降、約210万件まで伸びている。

【JX通信社】全国の感染状況、マップで身近に 1900人分掲載 「自覚ある行動につなげて」

【JX通信社】全国の感染状況、マップで身近に　1900人分掲載　「自覚ある行動につなげて」