【東大病院】セカンドオピニオン外来がオンラインでも可能に

首都圏の虎 ★

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◆新型コロナウイルス流行で関心高まる◆
　
　新型コロナウイルス感染症の流行で、オンライン診療への関心が高まるなか、東大病院（東京都文京区）が4月から、オンライン診療によるセカンドオピニオン外来を始めた。新型コロナ問題が起きる前から計画が進められていたものだが、遠隔地に住む患者や、病状が重く移動が困難な患者などにとって、セカンドオピニオン受診の選択肢が増えたと言えそうだ。

　セカンドオピニオンは「第2の意見」という意味で、患者が治療法の選択などの重要な決定に際し、主治医とは別の医師に意見を聞くことを言う。受診は原則、保険がきかない。オンライン診療は、パソコンやスマートフォンを利用して、自宅などにいる患者と医療機関の医師を結び、診察を行う仕組みだ。

関東圏以外から2割
　東大病院によると、2018年度に同病院のセカンドオピニオン外来を受診した約200人の患者のうち、半数余りは東京都内の居住者だったが、関東圏以外からの受診者も2割あった。北海道や沖縄から受診したケースもあった。

　また、東京都内の患者でも、別の病院に入院中のため行けないなどの理由で、スカイプなどのオンラインの手段を利用して受診できないかといった問い合わせもあった。やむを得ず本人が受診できない場合は、家族（3親等以内）による代理の相談で応じることが従来は多いという。

　オンライン診療のシステムは、株式会社メドレーの「CLINICS」を利用。乳腺・内分泌外科や心臓外科など一部の診療科を除き、18の診療科で対応する。他の大学病院でも「てんかん」や心臓血管外科など個別の病気や診療科でオンラインによるセカンドオピニオンを実施している例はあるが、同社のシステムを大学病院のセカンドオピニオン外来全体で導入した例は初めてという。

保険がきかず、オンラインはさらに高額に
　受診を希望する患者は、規定の申込書や相談シートに加え、通常のセカンドオピニオン外来では受診日に持参している主治医の診療情報提供書や検査画像などのデータ類も事前に郵送する。患者は、自分のパソコンやスマートフォンにアプリをダウンロードするなどの準備も必要だ。

　セカンドオピニオン外来の難点は、保険がきかず、料金が高額なこと。オンラインはさらに割高になるという。同病院での患者の費用負担は、通常のセカンドオピニオン外来の2倍に設定され、30分4万4000円、30分超60分まで8万8000円（いずれも税込み）。同病院では、通院でかかることが想定される遠隔地からの交通費や宿泊代などが、オンラインでは軽減されることなどを考慮して決めたとしている。

　3月16日から受け付けを始め、4月10日までに2件の申し込みがあった。1件は九州、1件は中国四国地方の患者で、うち1件はすでに実施した。もともとは来院希望だったが、遠方なのでオンライン使用の提案が医師側からあり、患者側も同意して実施したという。新型コロナウイルス流行の影響は「あると思う」と同病院。開始して間もないため見通しには不明な点があるが、月8件程度の需要を想定している。

「オンラインで可能なこと」の検証を
　新型コロナウイルス感染症の流行で、オンライン診療が改めて注目を集めている。オンライン診療の保険適用には現在、様々な要件が設けられているが、感染のリスクを減らすことを目的に、初診でも可能となるよう臨時の規制緩和が図られた。新型コロナが収束するまでの一時的なものだが、今後のインフルエンザ流行時の受診のあり方などを考えるうえでも、オンラインの活用が資するところは大きい。

　オンライン診療には、医師が患者を前にして直接体に触れることができないなどの制約があり、セカンドオピニオン外来も決してすべてオンラインで行うことができるわけではないだろう。現在の技術ではどんなことが可能で、どんなことには不向きなのか、検証を積み重ね、患者にとって治療の選択肢が増えることにつながってほしい。

4/15(水) 13:11配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200415-00010002-yomidr-sctch&p=2
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