【油田の中の戦争】原油価格暴落におけるロシアの予想外の利点

猪木いっぱい ★

確かに、原油価格の暴落はロシアの通貨システムや外貨準備にとって好ましい結果ではない。それでも、ロシアの石油会社にとっては、ドル建てでの運用コストが低くなる可能性がある。

ロイターの計算によると、ロシア最大の石油生産者である国営ロスネフトの原油換算1バレルあたりのリフティングコストは、サウジアラビアの石油大手アラムコのコストよりも低くなっている。そして、これは対ドルでルーブルが下落していることによるものだ。
一方、サウジアラビアの通貨であるリヤルは一定の為替レートでドルにペッグされているため、サウジアラムコのドルコストは、原油価格の暴落とOPEC+連合の崩壊の前後では同じである。

昨年のロスネフトの原油換算1バレルあたりのドル建て平均リフティングコストは3.10ドルだった。これは、ロイターが引用した同社の財務報告書によると、サウジ・アラムコの1バレルあたりのコストが2.80ドルであったのと比較している。

ルーブルの崩壊により、ロスネフトのコストは1バレルあたり2.50ドルに低下したが、アラムコのコストは、リヤルを1ドルに固定した為替レートのため、同じだとロイターの計算によるという。

先週、ロスネフトのイゴール・セチン最高経営責任者は、現在崩壊しているOPEC+協定をロシアで最も声高に批判し、ロスネフトの運営コストはサウジ・アラムコに匹敵すると発言した。ロズネフトはサウジアラビアとは異なり、石油の価格をダンピングしているわけではないので、より高い効率性を持っている可能性さえある。

"当社の運転コストはサウジ・アラムコのそれに匹敵します。当社のコストは1バレルあたり3.10ドルだが、サウジのコストは2.50～2.80ドルの範囲内だ」と、セチェン氏はニュースチャンネル「ロッシヤ24」に語った。

"彼ら（サウジアラビア）のように、価格をダンピングすることなく、効率的に作業することができます。したがって、我々の効率は彼らよりも高くなる可能性がある」とセヒチン氏は語った。

ロシアの誰もが、原油価格が暴落している今、生産コストの低さでアラムコに勝っていると、セチン氏ほど確信を持っているわけではありません。

ロシア第2位の石油生産者ルオイルのレオニード・フェドゥン副社長は先週、ロシアのテレビチャンネルRBCのインタビューで、原油価格の暴落を「壊滅的」と表現した。

1バレル25ドルの原油は壊滅的だとフェドゥン氏は述べ、OPEC+取引の破綻と、それに続くサウジアラビア・ロシアの「疲弊するまでの戦争」が、ここ数年の原油価格の安値の主な理由だと付け加えた。

コロナウイルスの大流行が経済と石油需要のあらゆる場所を直撃していることを認め、もしOPECとロシアが削減と協力を続けることに合意していたら、原油価格は現在1バレル50ドル前後になっていただろうと、ルコイルのフェドゥン氏は述べた。

原油価格が「壊滅的に」低いというフェドゥンの評価についてコメントを求められたクレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は金曜日、原油価格の崩壊は「壊滅的」ではなく、「非常に不愉快な価格環境」であると述べた。

ペスコフ氏は記者団に対し、ロシアには状況に対処するのに十分な緩衝材があると述べ、石油価格がこれほど低くなっても最長10年間は生きていけるというロシアの公式見解を改めて示した。

ロシアは、市場シェアのためのポンプ-アット-ウィル-フォー-マーケット-シェアのゲームでサウジアラビアに勝つことに自信を持っていると言われています。しかし、最終的には、石油市場から1000万bpdを奪ってもバランスが取れないほど需要が落ち込んでいる中で、自己破壊的な価格競争に誰が耐えられるかが勝負になるかもしれない。

DeepL翻訳
https://oilprice.com/Energy/Energy-General/Russias-Unexpected-Advantage-In-The-Oil-Price-War.html
https://d32r1sh890xpii.cloudfront.net/article/718x300/2020-03-25_lk9rhkyegq.jpg