【東京地裁】音楽教室での著作権料めぐる裁判きょう判決

Hikaru ★

ピアノ教室などのレッスンで使われる楽曲にも著作権料を支払わなければならないのか。
音楽教室がＪＡＳＲＡＣ＝日本音楽著作権協会を訴えた注目の裁判で、28日、判決が言い渡されます。
レッスンでの演奏が「公衆に聞かせるため」かどうかが争点で、音楽教室での著作権をめぐる初めての司法判断となります。

楽曲の著作権を管理するＪＡＳＲＡＣが３年前、著作権の使用料を徴収する対象に、ピアノなどの楽器の演奏を教える音楽教室を加える方針を明らかにしたのに対し、
ヤマハ音楽振興会など、およそ250の音楽教室の運営会社などが「教育のための演奏は公衆に聞かせる演奏ではなく、使用料を請求されるのは不当だ」として、ＪＡＳＲＡＣを訴えました。

裁判では、音楽教室での演奏が公衆に向けたものといえるかや、聞かせることを目的としたものかなどが大きな争点となりました。

ＪＡＳＲＡＣ側は「楽曲を利用する主体は音楽教室を運営する事業者であり、生徒たちは不特定多数の人にあたり公の演奏だ」として、音楽教室も楽曲の使用料を支払うべきだと主張しています。

判決は28日午後、東京地方裁判所で言い渡されます。

音楽教室での演奏も著作権で保護される対象となるのか、今回の判決は全国に数多くある教室にも影響を及ぼすとみられ、注目されています。

●裁判の争点双方の主張
裁判の大きな争点は２つです。
１つ目の争点は、音楽教室での演奏が公衆に向けたものにあたるかどうかです。
著作権法では、公衆の前で楽曲を演奏した場合、楽曲の作曲者や作詞者に「演奏権」があると定められています。
このため、演奏会での演奏では、作曲者に使用料が支払われることが一般的です。
また、公衆に向けて音源を再生するカラオケ、カルチャー教室、結婚式場などでも使用料が支払われています。
裁判で音楽教室側は、教室内には先生と生徒しかいないため特定の人どうしの演奏であり、公の演奏にはあたらないと主張しています。

一方、ＪＡＳＲＡＣ側は、楽曲を利用しているのは音楽教室を運営する事業者で、事業者の立場から見た多数の生徒たちは不特定多数の人となるため、公の演奏に当たると主張しています。

公の演奏にあたるかどうかをめぐっては、これまでにカラオケボックスやダンス教室などについても同じように裁判となり、いずれもＪＡＳＲＡＣ側の主張を認める判断が出ています。

２つ目の争点は、音楽教室での演奏が聞かせることを目的としているかどうかです。

著作権法では、聞かせることを目的とした演奏については、著作権の保護の対象となり、作曲者らに「演奏権」があると定められています。

裁判で音楽教室側は「聞かせることを目的とした演奏とは聞く人に感動を与えるための演奏だ」として、教室で生徒が練習するための演奏はこれにはあたらないと主張しています。

一方、ＪＡＳＲＡＣ側は、単純に演奏を聞かせようとする意思があれば、聞かせることを目的とした演奏にあたると主張しています。

●音楽教室運営者「演奏を楽しむ気持ちにストップ」
都内の４か所で音楽教室を運営し、500人余りの生徒がいる小林洋子さんは、教室での練習にも使用料がかかると音楽文化の発展が妨げられることになると考えて、裁判の原告に加わりました。

小林さんは「これまでは、子どもたちが新しい楽曲の練習を始める際には何も考えずにスタートしていましたが、曲によっては練習するにもお金がかかると説明しなければならなくなります。
演奏を楽しむ気持ちにストップをかけてしまうことで、音楽に親しむ人が少なくなってしまうことを最も心配しています」と話しています。

●音楽教室からの徴収はおととしから
ＪＡＳＲＡＣは作詞家や作曲家などの権利者から委託を受けて、ＣＤなどの「録音」やコンサートなどの「演奏」、「放送」「ネット配信」など、幅広い分野で楽曲の使用料を受け取り、権利者に分配する管理業務を行っています。

管理楽曲数はデータベース上で公開されているものだけでもおよそ420万曲にのぼります。

「演奏」の使用料は、音楽の生演奏のほか、録音物の再生についても徴収の対象となっていて、ＪＡＳＲＡＣではこれまで、
1970年代には社交ダンス教室での音楽利用について、1980年代には飲食店でのカラオケについても対象とし、ここ10年間でも「フィットネスクラブ」や「カルチャーセンター」、「歌謡教室」などの場で新たに管理を始めるなど、徴収の範囲を拡大してきました。

～続きはソースで～
音楽教室での著作権料めぐる裁判あす判決東京地裁
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20200227/k10012304511000.html
NHK NEWS WEB 2020年2月27日 21時41分

【東京地裁】音楽教室での著作権料めぐる裁判 きょう判決

【東京地裁】音楽教室での著作権料めぐる裁判きょう判決