【中国と板挟み？】香港行政長官、辞任を否定　「辞めたい」発言は認める

豆次郎 ★

2019年9月3日 10:00 (2019年9月3日 11:53 更新)

【香港=木原雄士】ロイター通信は3日までに香港政府トップの林鄭月娥・行政長官が先週、経済人との会合で「選択肢があるなら、まず辞めて謝罪したい」と発言したと報じた。林鄭氏は「世界の二大経済（米中）の前例のない緊張の中で、問題が国家主権や安全保障のレベルになってしまった」と指摘した。自らの政治的な裁量は限られているとして、辞めたくても辞められない状況を示唆した。

林鄭氏は3日午前の記者会見で「私的な会合の私の発言が録音されて、メディアに漏れたことは許しがたい」と述べ、自らの発言だと認めた。そのうえで「中央政府に辞任を申し出たことはない。辞めるのは簡単だが、厳しい情勢に対処するため職にとどまる」と語った。行政長官に強大な権限を与える「緊急状況規則条例」については「すべての法的な選択肢はまだ検討中だ」と述べるにとどめた。

ロイターは林鄭氏が英語で講演する音声データも公開した。林鄭氏は会合で「逃亡犯条例」改正案をめぐる大規模デモについて「行政長官としてこのような大混乱を引き起こしたことは許されない」と発言。「行政長官は中国政府と香港市民という2人の主人に仕えなければならず、政治的な手段はとても、とても、とても限られている」と苦しい胸の内を吐露した。

中国政府が10月1日の建国記念日よりも前に問題を解決するよう期限を設定したわけではないとの見方も示した。人民解放軍による武力鎮圧についても「中国は絶対に計画を持っていない」と否定した。

英紙フィナンシャル・タイムズ（FT）は7月に林鄭氏が辞任を申し出たが、中国政府が拒否したと報じた。仮に林鄭氏が辞任しても、後任の行政長官を民主的に選ぶよう市民の要求が高まるのは必至で、混乱が収束するかは不透明だ。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO49335420T00C19A9MM0000

【中国と板挟み？】香港行政長官、辞任を否定 「辞めたい」発言は認める

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