【政治】首相・菅義偉の自助論に防災専門家戸惑い「ゆゆしき事態」　自助は公助を補うもの　防災分野では、自助を第一義とする首相とは解釈が異なる

擬古牛φ ★

★菅首相の自助論に防災専門家戸惑い「ゆゆしき事態」

[2020年10月3日20時7分]

菅義偉首相が掲げた「自助・共助・公助」を巡り、同じフレーズを以前からよく使ってきた防災の専門家から戸惑いの声が出ている。

防災分野では、国民の生命と財産を守るという大目標を達成する上で、
自助に第一義的な責任を負わせてはおらず、首相とは解釈が異なるためだ。

首相は自民党総裁選などで「目指す社会像は、自助・共助・公助、そして絆」と発言。
その意味を「まずは自分でやってみる。そして、家族、地域でお互いに助け合う。
その上で政府がセーフティーネットでお守りをする」と説明し、自助を前面に出した。

防災分野でこのフレーズが浸透した要因の1つは、日本火災学会が1996年に発表した阪神大震災の調査報告書。
生き埋めになった人などを救助した主体は、本人や家族など「自助」が7割、友人や隣人など「共助」が3割、
救助隊などの「公助」が1割未満だったと紹介した。

調査に携わった兵庫県立大大学院の室崎益輝教授（防災計画）は「当時は自助と公助の2つだけが主に使われており、
共助も重要だと強調するのが狙いだった」と話す。

調査報告書は自治体ホームページなどに広く引用され、7割を占めた自助が最重要であるかのような記述も近年は散見される。
しかし「公助が1割未満しかなく『それではいけない』と反省してもらう意味合いがあった」という。

室崎教授は「首相発言で、自助が第一というイメージが広まらないか懸念がある。
3つとも等しく重要で、それぞれが責任を果たす必要がある」と強調した。

安倍政権で内閣官房参与を務めた京都大大学院の藤井聡教授（都市社会工学）は、公助をより重視する立場だ。
「自助や共助は、公助で不足する部分を補うもの、というのが防災行政の一般的な考え方。
自助で命は守れても、ダムや堤防がなければ家や資産は守れないからだ」と語る。

首相発言に関しては「自助は公助を補うものという考えに基づく発言であれば常識的だが、
仮に『自助・共助を基本として、その残りの部分を政府が担う』という発想であれば、
ゆゆしき事態と考えられる」と防災政策への影響を懸念した。（共同）

日刊スポーツ https://www.nikkansports.com/general/news/202010030001064.html

【政治】 首相・菅義偉の自助論に防災専門家戸惑い「ゆゆしき事態」 自助は公助を補うもの 防災分野では、自助を第一義とする首相とは解釈が異なる

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