【新型コロナ】 ドイツの救済措置のスピードに驚く　芸術家「申請から3日で、銀行口座に60万円が振り込まれた」　仕事はキャンセル続きだけど、生活の不安は皆無

1 ：擬古牛φ ★：2020/04/09(木) 15:14:16.98 ID:???

★仕事はキャンセル続きだけど、生活の不安は皆無　ドイツの芸術家「申請からわずか3日で、私の銀行口座には60万円が振り込まれた」

日本では自粛要請が出されるものの、経済的な支援策が不透明なため、多くの人が今後に不安を抱えている。
一方で、ドイツでは救済措置が優先しておこなわれており、そのスピードは申請者すら驚くほどだ。

●連邦政府の不足部分を市や州が補助

ドイツでは3月半ばから、新型コロナウイルスの拡散防止策として行動制限や店舗の閉鎖などが実施されている。
それによって、フリーランスの写真家ローレンツ・ボステットは次々と契約がキャンセルされ、
予定していた収入がすべて消えていくのを呆然と眺めていた。

しかし、彼が緊急救済措置の申請を済ませてからわずか3日後には5000ユーロ（約60万円）が彼の銀行口座に振り込まれた。
ベルリン市は3月19日に、基本的な支払いを賄えない自営業者や中小企業の経営者に迅速に給付金を支払うと表明していた。

多くのベルリン市民が驚いたことに、通常の事務処理業務が山積みなのにもかかわらず、その救済措置は優先的におこなわれた。
申請手続きが始まってからわずか5日後には、政府はすでに15万人以上の自営業者や従業員5人未満の企業に14億ドル以上を支払ったと発表したのだ。

「みんな、かなり驚いています」とボステットは電話インタビューで語った。

「驚くほどスムーズに、すべてが清々しいほどに組織化されていたのです」

アーティスト、ファッションデザイナー、プログラマー、ヘアスタイリスト、ウェブデザイナー、カフェのオーナー、
クラブ経営者などの小規模雇用者やフリーランサーは、ベルリンのビジネスの4分の1を占める。
連邦政府が初期に行った応急措置は、大企業の破綻を防ぐことを主な目的としていたため、彼らはその恩恵を受ける資格がなかった。
そこで、ベルリン市は彼らのための特別な救済措置を設けたのだ。

ヨーロッパの各国では、大企業による従業員の解雇を防ぐだけでなく、小規模な企業経営者が基本的な支払いをできるように救済策を迅速に策定している。
失業した労働者は失業給付を受ける資格があるが、自営業者は政府の自宅待機命令により「仕事がない」わけではなく、
厳密に言えば「仕事があるのに働けない」という異常な状況に置かれているのだ。

ベルリンほど手厚く、迅速に恩恵を受けられる場所はない。

「申請の順番を待つこと3日、その後はフォームの記入に約10分、そして、その2日後にはお金が口座に振り込まれていたのです」

グラフィックデザイナーのジョージ・クヴァスニコフはツイッター上で「まったくストレスがない」と呟いた。

●ヨーロッパ各国で異なる経済対策

イタリアは4月1日から自営業者と季節労働者のために約650ドルを給付する措置を実施した。申請の受付を開始するやいなや、
国の社会保障機関のウェブサイトへ申し込みが殺到し、ものの数時間でサイトが落ちた。
翌日の朝までで毎秒300件の申し込みがあったが、当局は支払いをおこなう前に、この莫大な申請書を審査するという。

フランス政府は、ロックダウンの命令によって完全に業務が停止している、
もしくはビジネスの70％以上が打撃を受けている推定60万人の自営業者に対し、1600ドル以上を給付している。
給付金の申請は現在も継続中で、税理士のなかには顧客に対し、本当に困っている場合は税務当局に連絡するよう勧めている者もいる。（続く）

https://courrier.jp/news/archives/196471/?ate_cookie=1586411760

続きは>>2-4

2 ：擬古牛φ ★：2020/04/09(木) 15:14:56.84 ID:???

スペインでは、給付金は現金の支給ではなく、納税期限の延長や税金の還付が中心だ。
資格を得るために、フリーランサーなどは月収が過去6ヵ月の平均と比較して75％以上
減っていることを証明しなければならない。

ドイツでは16の州すべてが、ベルリンと同様に小規模企業や自営業者を対象に支援金を給付している。
ドイツの各州には、支援金受領資格者について独自のガイドラインがあり、
すべての州がベルリンのように簡単に申請できるわけではない。
ある程度の貯蓄を持つ中小企業は、その貯蓄に手を付けるか、
それとも年の後半に課税されることになっても支援金を申請するかの判断に迫られている。

「すべて急ごしらえで作成したんですよ」と、ドイツ西部の町ビンゲン・アム・ラインで
経営コンサルタントとして働くハッソ・マンスフェルトは、
州への申請書を提出するにあたり、法に遵守しているかを確認するため、書類の詳細に目を通しながら言った。

「政府が、シンプルに『ヘリコプター・マネー』を支給してくれるのなら、話は簡単だったのでしょう。
すべての中小企業に定額を分配するということです」

彼の提案は、アメリカが大人1人当たりに1200ドル（約13万円）の小切手を直接支給したり、
本来はその資格がないフリーランサーやギグワーカー（単発の契約労働者）にまで
失業給付資格を拡大したりしたアメリカの経済対策に似ている。

●ベルリンがいきいきしているのは芸術のおかげだから

ベルリンの当局は、芸術やその他の創造的な分野の起業家やフリーランサーが
市の経済に果たす役割を考慮して、ドイツで初めて彼らへの資金援助を約束した。

また、ベルリン当局は申請と承認を合理化し、申請者への要求事項は、?
偽りなく申請を行うことと、支払い前にすべての情報を確認するのではなく、
納税者番号とその他の基本的な事実を確認するだけにした。
ただし、あとで虚偽の申請だったと判断された場合は返金の可能性もあることを警告している。

「ベルリンがいきいきとしていて素晴らしいのは、あらゆる創造的な分野のアーティストたちのおかげなんです」と、
ベルリン州文化相のクラウス・レデラーは救済措置法案の可決後に語った。

「新型コロナウイルスの大流行がもたらした数多くの文化イベントの中止や会場の閉鎖は、
多くのアーティストにとって死活問題になっています」

レデラーは4月分の家賃を支払わなければならない人たちの支払い能力を保証するため、
迅速に支給手続きを進めることを約束した。

冒頭のボステッドはまさにその1人だった。本業の仕事がなくなって、展示会の準備やレストランでの仕事など、
生活が逼迫した際に生活費を稼ぐために引き受けていた本業以外のアルバイトも干上がってしまったのだ。

「2週間で収入がすべてなくなってしまいました」と彼は言う。

彼は、ベルリン投資銀行が3月末にオンライン申請手続の処理を開始した数時間後、
手続きに必要な整理番号を取得するために待機した何千人ものうちの1人だった。
約2万5700人待ちの末、順番が回ってきたことを知らせる通知が携帯電話に届くまで約30時間待った。

彼は事前に事務処理していたので、基本的な費用をカバーするためにお金を必要としていることを宣誓する、
というボックスにチェックを入れたとき、何のうしろめたさも感じなかった。
2営業日後、彼の口座に支援金が振り込まれた。

「私には他に選択肢がありませんでした」と彼は言う。

「家賃を払わなければいけませんからね」

cThe New York Times News Service