【ＮＥＣ】人工衛星の運行事業に参入国内電機メーカーで初

みつを ★

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180110/k10011284341000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_030

1月10日 19時12分

人工衛星を活用したサービスの需要の拡大が見込まれる中、ＮＥＣは、日本の電機メーカーで初めて、人工衛星を運行する事業に乗り出すことになり、東京都内に開設した運行施設を１０日、報道機関に公開しました。

ＮＥＣが開設したのは衛星オペレーションセンターと呼ばれる施設で、社員が人工衛星の軌道修正や地球の撮影などを行います。日本では、人工衛星の運行管理は、国の機関であるＪＡＸＡ＝宇宙航空研究開発機構が担い、ＮＥＣは、主に衛星の製造を行ってきました。

しかし、去年施行された法律で地球観測衛星からのデータを民間企業も扱うことができるようになったこと、それに人工衛星を活用したサービスの需要の拡大が見込まれることから、ＮＥＣは日本の電機メーカーで初めて、衛星の運行を手がけることにしました。

まずは、今月、ＪＡＸＡが打ち上げる予定の小型の地球観測衛星、「ＡＳＮＡＲＯ（あすなろ）」の２号機の運行を手がけるということです。

人工衛星で観測した画像や気象のデータを防災や農業などに生かすサービスは、市場の拡大が期待されていて、ＮＥＣは観測したデータの販売も行い宇宙事業を強化する方針です。

ＮＥＣのナショナルセキュリティ・ソリューション事業部の永野博之事業部長は「モノを作って納入することを仕事としてきたが、これからは衛星の運用やデータをビジネスにつなげていきたい」と話しています。
宇宙ビジネス政府も支援
民間企業の宇宙ビジネスへの参入は政府も後押ししています。

政府はおととし、宇宙ビジネスへの民間企業の参入を促す「宇宙活動法」を制定しました。ＪＡＸＡ＝宇宙航空研究開発機構が関わる形でしかできなかったロケットの打ち上げが、国の許可を得れば民間企業でも可能になったほか、打ち上げの失敗に伴う損害のうち、保険でカバーされない部分を国が補償する仕組みも整備されました。

さらに政府は去年５月、宇宙産業ビジョンを策定し、国内の宇宙産業の市場規模を、２０３０年代の早い時期に倍増させる目標を掲げました。

この中では「宇宙ビジネスに投資できるリスクマネーが圧倒的に不足している」として宇宙ビジネスに挑戦するベンチャー企業などを官民をあげてサポートすることが必要だとしています。

宇宙ビジネスへの参入相次ぐ

日本の民間企業の間では、政府の支援や需要の拡大を追い風に、宇宙ビジネスに本格的に参入する動きが広がっています。

大手精密機器メーカー、「キヤノン」のグループ会社、「キヤノン電子」は、超小型の人工衛星を開発し、去年６月インドで打ち上げが行われました。上空からヒトやモノの動きを観測して経済活動の予測に役立てたり、農地を撮影して作付けの状況を調査したりするといった用途を想定し、画像データを提供する事業や衛星そのものを販売したりする事業を目指しています。

国の主導で行われてきた宇宙ロケットの打ち上げを、民間企業で行おうという動きも出ています。「キヤノン電子」とロケット開発を手がける「ＩＨＩエアロスペース」、大手ゼネコンの「清水建設」、それに政府系の「日本政策投資銀行」の４社は、去年８月次世代のミニロケットを開発する会社を共同で設立しました。

また北海道のベンチャー企業、「インターステラテクノロジズ」は、国内初となる民間宇宙ロケットの開発を進めています。今後の打ち上げで国内で初めて民間のロケットが宇宙空間に到達できるか注目されています。

アメリカの「衛星産業協会」によりますと、宇宙産業の世界全体での市場規模は、２０１６年は２６０５億ドル、日本円にしておよそ２９兆円に上り４年間で２４％伸びていて、今後も成長が見込まれています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180110/K10011284341_1801101901_1801101901_01_02.jpg

【ＮＥＣ】 人工衛星の運行事業に参入 国内電機メーカーで初

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