【大阪】住吉市民病院、統合より建て替えの方が安い？府市間の連携不足が原因か　統合案、費用30億→実際には60億

ばーど ★

　大阪市が今年度での閉鎖を決めている住吉市民病院。橋下前市長の時代に二重行政解消だとして２キロ離れた大阪府の病院と統合することが決まりましたが、議会などの判断の理由のひとつとなったのがコストの安さでした。当時の資料には建て替えだと最大５７億円、一方の統合案だと３０億円。こっちの方が安いという前提で統合が決まったのですが実はこの３０億円が実際には倍の６０億円だったことがわかったのです。一体どういうことなんでしょうか。

　大阪市住之江区の市立住吉市民病院。戦後すぐから地域の医療を支えてきましたが老朽化などで来年３月での閉鎖が決まっています。現地での建て替えも検討されましたがわずか２キロの場所に大阪府立の別の病院があることから、橋下前市長らが「二重行政だ」などとして統合を決めたのです。当時、建て替えには５７億円かかる一方、統合なら３０億円で済むためコスト的に優位だと説明されていました。ところが、その３０億円が実は倍の６０億円だったことがわかったというのです。

　「３０億円が現地建て替えより安いということが、ひとつの判断となって、ひとつの要素となって統合にふみきった。もし統合案が６０億円だったら判断が変わっていたかもしれない」（自民党　前田和彦大阪市議）

　当時の府市統合本部の資料には統合案の費用として確かに３０億円と書かれています。素直に見れば費用は全部で３０億円と読めますが、実際には府と市それぞれが３０億円を負担する、つまり費用は合計６０億円だったというのです。

　「３０億円が総額だと思い込みまして、府への確認を行わなかった。府市間の連携不足、情報共有不足が一因になったと考えている」（大阪市の担当者）

　病院の統合は橋下前市長らが進めた「二重行政の解消」の象徴の一つだっただけに、議会からは「あえて事実を隠していたのではないか」という声が上がりました。

　「６０億円なんてどこにも出てこない。統合の意思決定をした時の資料があまりにもずさんで、極端な話、真実とは異なるカモフラージュの資料ですよ」（自民党　前田和彦大阪市議）

　さらに、現在の整備費の総額は工事コストの増加などにより８３億円にまで膨れ上がっているといいます。当初の建て替え案より２６億円もコストが増える事態に地元からは…
　
　「じゃあ移転しないという選択肢はないんですかね」（地元住民）
　「ずさんと言ったらアレやけど、もうちょっと真剣に考えてもらってたら移転という結論にならなかったんじゃ…」

　一方、吉村市長は「建て替えより統合の方が病院の機能面でも優れている」と答弁しました。

　「どっちが果たしてコスト面でも中身においても有利なんだということで、戦略会議で意思決定されたものと推察している。判断が大きくゆがめられたとか、そういうことはないと思っている」（大阪市　吉村洋文市長）

　生活に大きく影響する病院の統廃合。その判断に不十分な点はなかったのか、検証する必要がありそうです。

配信2017.9.20 20:19更新
MBSニュース
http://www.sankei.com/west/news/170920/wst1709200090-n1.html

【大阪】住吉市民病院、統合より建て替えの方が安い？府市間の連携不足が原因か 統合案、費用30億→実際には60億

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