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熱統計・熱力学スレッド
- 845 :ご冗談でしょう?名無しさん:2017/05/17(水) 18:23:40.97 ID:qGSnL4tj.net
- ちょっとした質問スレに書いたんですがレスがつかにようなので、こちらに書かせていただきます。
熱力学のグランドポテンシャルに関する問題について質問です。
気相と液相が2相共存の平衡状態となっていて、液相は気相中に球状の液滴として存在しているとする。
気相の体積と圧力をVg、Pg、液相の体積と圧力をVl、Plとし、気体と液体の界面の面積をAとする。
液体粒子数Nlと気体粒子数Ngの和は全粒子数Nになるとする(gとlは気相、液相を表す添字)。
この系では、2相の温度と化学ポテンシャルはそれぞれ等しい。
界面の効果を考えずに気相、液相のグランドポテンシャルをそれぞれ
Ωg=-Vg・Pg
Ωl=-Vl・Pl
と書くと、系全体のグランドポテンシャルΩは、界面の寄与Ωsを考えて
Ω=Ωg+Ωl+Ωs=-Vg・Pg-Vl・Pl+αA
となる。ただし、αは界面における表面張力係数で、温度だけに依存して決まるものとする。
ここで、液滴の半径をR、Vl=(4π/3)R^3、Vg=V-Vl、A=4πR^2 とすると、温度と化学ポテンシャル一定のもとでΩはRの関数として
Ω(R)=(4π/3)(Pg-Pl)R^3+4παR^2-Pg・V ・・・[1]
と書ける。ΩをRで微分すると、
Ω'(R)=4π(Pg-Pl)R^2+8παR …[2]
Ωに極値を与える条件を考えると、Ω'(R)=0 だから式[2]より
(Pg-Pl)R+2α=0
∴ R=2α/(Pl-Pg) …[3]
式[3]は、Pl=Pg+2α/R と変形できるので、
α>0ならばPl>Pg ・・・[★]
これは表面張力の効果によって液滴の内部圧力が外部(気相)の圧力よりも高いところでバランスするという事実に一致している。液滴半径rが式[3]で与えられるとき、2相は平衡状態になると考えられる。
(つづく)
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