【噛みつき害獣】のんたぬ神に見放される【キモい】

神も仏も名無しさん

初ssです。至らない点は大目にみて下さい。のんたぬの喋り方が変かもしれません。

｢はぁ…｣

時刻は23時。公園のベンチに腰掛け男はため息をついた。

｢最近はついてないなぁ｣

駅では財布を落とし、会社では上司に怒鳴られ、新しく買ったスーツは初日に転んで破れる…等々。
本当についてない、と男は落ち込んだ。

｢明日は休みだし、ちょっとゆっくりできるな｣

先ほどコンビニで買った唐揚げとおにぎりとお茶を取り出し、男は遅い晩御飯を食べ始める。
本当なら自炊したいところだが、疲れが溜まっているので簡単に済ませようとしたのだ。
男が御飯を食べ始めて数分後。近くから奇妙な鳴き声が聴こえてきた。

やーん　やーん

｢…?｣

声の方へ視線を向けると、そこには大きなたぬきのしっぽのようなsomethingを引きずりながらこちらに近寄ってくる気持ちの悪い生物がいた。

(…のんたぬだ)

生物の正体は『のんたぬ』であった。
この生物、一時期はペットとしてブームになったのだが、わがままで食わず嫌いで糞尿を撒き散らし人間の言うことを聞かず、さらには単体での繁殖ができるという誰が得をするのか理解にくるしむ生態を持ち合わせており、今では国が害獣に指定している。
ちなみにこの生物を発見した場合。すぐに保健所に連絡するかその場で駆除することが法律で決められている。
そんな害獣こと、のんたぬは男の前に立ち止まると、

｢にんげんしゃあ、あのなぁ、のんちゃあぽんぽんしゃんがすいとるんやぁ…せやから、おうどんさんかやきにくたべさせてやん｣

と、気持ちの悪い顔で気持ちの悪い上目遣いをしてご飯をねだってきた。

｢すまんな。俺は今おにぎりしか持ってない｣

男はのんたぬにそう言うと、再びおにぎりを食べ始める。

｢やぁん、おねがいやぁん。とくべつにのんちゃあのしっぽさんもふもふさせたるやん｣