【プロ】大阪出身20代女性、福井で海女デビュー決めた直感　81歳の師匠に学び潜る日々 [朝一から閉店までφ★]

朝一から閉店までφ ★

2022年1月2日午前7時00分

　福井県坂井市三国町安島の海女仲間に待望のルーキーが加わった。移住してきた大阪府出身の野口桜さん（２９）は、昨年４月に海女としてデビュー。大先輩たちの期待を一身に集めている。

　「後悔しないように生きたい」。３年半前、身内の死を目の当たりにして、やりたいことを書き殴って自分を見つめ直した。海の近くに住み、海に関わる人たちと、海で仕事をしたい―。海女になれる場所を調べ、条件に合う安島に足を運んだ。思い描いた港町の風景があり、直感的に「絶対ここに住む」と思った。

　２０１９年春から三国町に移り住み、病院で介護職に就いた。漁期に合わせて海女の仕事もできるよう勤務先から理解を得た。

　その後、安島に引っ越して海女になる準備を本格化。師匠と慕う砂田正子さん（８１）に漁場や道具の使い方などを教わった。漁に慣れるために何度も潜ったが「アワビは岩にしか見えなかった」と苦笑いで振り返る。

　雄島漁協組合員になり、漁に出ようとした矢先、コロナ禍に見舞われた。サザエは値崩れし、ワカメ漁は人手不足に。介護の職業柄、他の海女に会うのをためらう時期もあった。そんな苦境の中でも「人の温かさ、助け合う大切さが身に染みた。海女になれて本当によかった」と決意は揺るがない。

　「元気で頑張り屋だし、５年もすればいい海女さんになる。私たちの宝だよ」とは砂田さん。野口さんは「海女さんは大変な仕事。実際にやってみて、すごさを知った。この文化はなくしたらあかん」と力を込める。一人前の海女を目指して海に向かう。

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　人混みを避け、親しい仲でも距離を保ち、旅行やレジャーを我慢していた人は少なくないだろう。感染症のパンデミック（世界的大流行）の中、これまで当たり前だった日常を再認識した人、何らかの気付きを得た人もいるだろう。そして、２０２２年を迎えた。長年の目標を実行に移したり、少しずつ理想を追いかけてみたり。しゃがんでためていた力を解き放つように、福井から新たな一歩を踏み出した人たちがいる。思い思いの歩幅で踏み出したその先に、どんな生き方と希望を見いだしているのだろうか。

https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1459874

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