【東京五輪】交通案内はプラカード、観客見送りは「ささやき声」で。宮城の有観客会場 [記憶たどり。★]

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東京五輪で最初に観客を入れる女子サッカーの試合が２１日に宮城スタジアム（宮城県利府町）で行われる。
地元では有観客開催への期待と新型コロナウイルスの感染拡大への不安で賛否が真っ二つに割れており、
自治体は観客の「直行直帰」を呼びかける。静岡や茨城でも一部で観客を入れる予定で、各自治体とも
感染対策を強化して不安の払拭（ふっしょく）に懸命だ。

開会式前の２１日からサッカー計１０試合が行われる宮城スタジアムは、最大１万人を収容する。
県は観戦者に会場と自宅・ホテルとの「直行直帰」を強く呼びかける。

スタジアムは仙台駅からシャトルバスで約４０分。仙台市中心部には東北一の繁華街があるが、
県は酒類を提供する市内の飲食店などに、２１日以降は営業時間を午後９時までに短縮するよう要請する。
最終試合の終了は午後１０時頃が見込まれ、村井嘉浩知事は「試合後に中心部での飲食は、簡単ではないと思う」と話す。

交通案内などを担う都市ボランティアは矢印が書かれたプラカードなどで誘導し、観客の見送りは「ささやき声」で行う。

ただ、不安の声は根強い。仙台市の郡和子市長は１３日、記者会見で「直行直帰がどの程度、
実効性を持って行われるか見当もつかない」と懸念を示し、大会組織委に無観客開催を要請した。

県医師会長や東北大学病院長、仙台市医師会長らも連名で１２日、無観客での実施を求める要望書を村井知事あてに提出。
「感染者数増加が懸念されているときに、県外から多くの人々が来ることには大きな危惧を抱かざるを得ない」と指摘した。
県には１６日午後５時までに電話などで２３８１件の声が寄せられ、ほとんどが無観客開催を求める意見や苦情だという。

県内では６月中旬以降、１日あたりの新規感染者数が１０人以下の日が続いていたが、その後は増加し、
７月６日からは１２日連続で前週の同じ曜日を上回った。

住民の意見も割れている。仙台市青葉区の男性会社員（５４）は「仙台でも感染者数は右肩上がりで、
五輪は国内外からの人の動きがある。再拡大への不安は尽きない」と話す。一方、同区の男子専門学校生（１９）は
「選手と観客で感動を共有してこその五輪。観客の有無を問うより、一人一人がルールを守って観戦するべきだ」と話した。

静岡　イベント中止
　
静岡県で行われる自転車競技は、ロードレースの沿道では観戦自粛を呼びかけ、ゴール会場やトラック競技では観客を入れる。
県は都市ボランティアの希望者にはワクチン接種も行う。

トラック種目とマウンテンバイクの会場で観客が入る伊豆市は、修善寺駅周辺で計画していた特産品による観客の「おもてなし」を中止に。
ロードレースのゴール地点の小山町も、沿道の「観戦ポイント」や休憩テントの設置を見送った。
町の担当者は「ホームぺージなどで沿道観戦の自粛を呼びかけたい」と話す。

ロードレースコースの御殿場市などでは、競技を中継するライブサイトを、規模を縮小して実施する方針だ。
看護師や保健師を常駐させ、検温や消毒を徹底する。富士山の登山シーズンとも重なるため、市の担当者は
「密にならないよう、呼びかけなどを徹底するしかない」としている。

茨城　声なし応援
　
茨城県では、「学校連携観戦プログラム」に申し込んだ県内の小中高生ら約４０００人がカシマスタジアム（鹿嶋市）でサッカーを観戦できる。
県は前後左右１席ずつ空けて観戦できるよう調整している。声を出さない応援のほか、観戦２週間前からの検温も求める。

つくばみらい市では、小中学校３校の送迎バスの車内で間隔を空けて座ってもらうため、台数を２倍にする予定だ。
同市教育委員会の担当者は「思い出づくりを全力でサポートしたい」と話している。