【東京五輪】朝日新聞、「五輪反対」表明でもスポンサーは降りず、テレビ朝日で注目競技独占放映のダブルスタンダード [ボラえもん★]

ボラえもん ★

「この夏に東京で五輪・パラリンピックを開くことが理にかなうとはとても思えない」
　5月26日の社説で、五輪開催の中止を求めた朝日新聞。「冷静に、客観的に周囲の状況を見極め、
今夏の開催の中止を決断するよう菅首相に求める」という序文で始まる、その踏み込んだ内容は話題になった。

　しかし、6月21日付で一般社団法人「日本民間放送連盟」より発表された、
「東京2020オリンピック民放テレビの取り組み概要と見どころについて」を見てみよう。
朝日新聞のグループ企業であるテレビ朝日系列で放送される予定の競技は、
陸上男子4×100mリレー決勝、ソフトボール女子決勝、柔道女子52kg級・男子66kg級決勝など、高視聴率必至の注目競技ばかりなのだ。

　政治学者の岩田温氏がこう分析する。
「社説で五輪開催に反対という意見を表明するのは勇気のあることだったと思いますし、新聞としての立場を明確にしたこと自体はいいことだったと思います。
しかし、いざ五輪の開催が決まれば、グループ企業であるテレビ朝日が五輪の放映をおこなうというのは、
言っていることとやっていることが一致していないと思わざるをえません。

　朝日新聞デジタルが『社会学者の上野千鶴子氏、哲学者の内田樹氏らが、五輪中止求め署名を始めた』という記事を7月2日に配信していますが、
この期に及んでも『どうやってやめるのか』がまったく説明されていません。朝日新聞出版の雑誌『アエラ』（7月5日号）でも、
内田氏が『国民の生命と健康を危険にさらしてまで五輪を開催する理由は見当たらない』と批判しています。
しかし、朝日新聞社が主催者である夏の甲子園は、有観客でおこなうことを発表しています。
甲子園ではコロナは感染せず、五輪では感染しやすいという科学的データでもあるのでしょうか。筋が通らないと思いませんか」

　五輪反対の論陣を張っておきながら、朝日新聞社は東京五輪・パラリンピックのスポンサーでもある。
前出の社説と同日、同社の公式ウェブサイトに掲載された「東京2020オフィシャルパートナーとして」という声明では、
大会の開催について「公正な視点で報じていく」が、「オフィシャルパートナーとしての活動は続けてまいります」と宣言しているのだ。

「スポンサーであるということは、開催を支持しているということでしょう。読者に反五輪の読者が多いので、
朝日新聞社が経営的判断として反対の立場に立つ、というのは理解できます。
ですがその裏で、グループ企業のテレビ朝日が『五輪を中継し、儲けさせていただきます』というのは、いかがなものかと思います。いったい、どんなスタンスで放送するのでしょうか」（岩田氏）

　本当に「国民の生命」が大事だと思っているなら、朝日新聞はスポンサーを降り、テレビ朝日も五輪の中継をやめて、筋を通せばいい。岩田氏はそう力を込めた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/12b185fd048f68784f1922f403eca8c257969116