【大分】人工授精、イルカ誕生へ　つくみイルカ島、独自手法で今夏／津久見市四浦

ニライカナイφ ★

◆人工授精、イルカ誕生へ　つくみイルカ島、独自手法で今夏

津久見市四浦のつくみイルカ島で今夏、人工授精のイルカが初めて誕生しそうだ。
生まれれば国内では４例目。従来より簡単な独自の手法で取り組んだ。

追い込み漁の野生イルカ入手が禁止されて以降、繁殖体制の確保に頭を悩ませている全国の水族館に新たな道を開く可能性がある。
運営会社マリーンパレス（大分市）は実績を重ねて技術を確立したい考え。

マリーンパレスによると、母親は推定１２歳のバンドウイルカ「メイ」。
昨年７月、県外の水族館から借りている雄「アテネ」の精液で人工授精し、同８月に妊娠を確認した。

妊娠期間は通常１年とされ、現在１１カ月で経過は良好。
８月初めの出産を見込む。エコー検査で赤ちゃんの心臓が元気に動く様子を確認している。

つくみイルカ島は２０１７年５月、自然交配による繁殖に成功。
その実績を踏まえて人工授精に挑んだ。

独自の手法としてメイに精液を注入する際、水中であおむけにし、子宮入り口付近にチューブで流し込んだ。
作業はわずか１０秒ほど。

従来は水中から引き上げ、内視鏡で子宮内に注入していた。
今回の手法は母体への負担が少なく、手間がかからない。
昇降床など特別な設備もいらない。

イルカ入手を巡っては世界動物園水族館協会（ＷＡＺＡ）が１５年、追い込み漁を「残酷」と問題視し、日本動物園水族館協会（ＪＡＺＡ）の資格を停止した。
ＪＡＺＡは同年、除名処分を避けるため、つくみイルカ島など会員施設に対して同漁で捕獲したイルカの購入を禁止した。
各施設では確保対策が課題となっている。

ＪＡＺＡ水族館部長の勝俣浩さん（５５）＝千葉県の鴨川シーワールド館長＝は「新たな手法は簡単で、人工授精に取り組みやすくなるのではないか。新しい選択肢になり得る」と期待。
イルカ島の田中平館長（６２）は「無事に生まれてもまだ１例目なので、技術としての信頼を高めていきたい」と話している。　

大分合同新聞　2018/07/03 03:01
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2018/07/03/JD0057066665

【大分】人工授精、イルカ誕生へ つくみイルカ島、独自手法で今夏／津久見市四浦

【大分】人工授精、イルカ誕生へ　つくみイルカ島、独自手法で今夏／津久見市四浦