【保険】漁船保険、戦乱特約が急増　北朝鮮ミサイルで不安反映

コモドドラゴン ★

2017/11/3 16:36

　漁船保険の一種で、戦争や他国の攻撃などに備える「戦乱等特約」への加入が急増している。
日本漁船保険組合（東京）によると、全国で昨年度に同種の保険に加入していたのは235隻だったが、今年度は10月30日現在で1630隻。
北朝鮮のミサイルが８、９月に上空を通過した北海道では特に増えており、漁業者の不安を反映している。

　戦乱等特約は、船同士の衝突や火災など通常の漁船保険に追加で契約する。昨年度までは「特殊保険」と呼ばれ、有事の際の補償対象が船体に限られていた。
今年度から乗組員の生命や積み荷も補償対象となった。

　北海道南部の渡島、檜山地方の漁協に所属する船では４～９月の加入が８隻だったのに対し、10月には930隻に急増。
全国の加入数の６割近くを占める。７月には、道南西部の奥尻島から約150キロの海に北朝鮮のミサイルが落下。８、９月にも道南部上空をミサイルが相次いで通過した。

　戸井漁協（函館市）の担当者は「ミサイルが落ちてからでは遅い。万が一のためにも船主らに加入を促したい」と話す。

　他の地域では沖縄県の漁船の加入も増加している。中国、台湾が領有権を主張する尖閣諸島（同県石垣市）の問題が背景にあるとみられる。

　小型船で最も大きなサイズの19トン漁船（５人乗り）では、船体補償上限５千万円、沈没時の引き揚げ費用などに最大10億円、乗組員死亡に１人当たり最大1200万円の保険を掛けられる。
この場合の年間保険料は9290円で、漁協関係者は「保険料は高くない」としている。

　日本漁船保険組合道南支所（函館市）の小山誠一郎支所長は「９月から改めて特約について各漁協に説明したところ、加入が相次いだ。危機感の高まりを感じる」と説明した。〔共同〕

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23099610T01C17A1000000/

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