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【黒田】 日銀が量的緩和で国債をどんどん買って行き着く先は「永遠のゼロ」か、銀行課税か?
- 2 :擬古牛φ ★:2017/02/22(水) 11:27:13.03 ID:???
- >>1の続き
つまり、日銀が国債を買うことで金利負担が抑えられるかどうかは、日銀当座預金の利払い動向に依存する。
そこで問題は、(2)「日銀は当座預金に階層を設け、ごく一部の政策残高のみにマイナス金利を適用することで
マイナス金利に誘導しており、同じ階層性を使えば統合政府の金利負担を抑えられるはずだ」という直感は正しいか、ということになる。
この点を考えるには、スイス国民銀行や日銀のような、当座預金に階層性を設けている
中央銀行のマイナス金利誘導メカニズムを検討する必要がある。
早速、日銀のマイナス金利誘導メカニズムをみてみよう。
図表2の概念図は、日銀がマイナス金利政策導入時に示したものである。
図表2 http://dol.ismcdn.jp/mwimgs/0/3/-/img_a4bfd327db3e5efe42ad35f9bfd9191122888.png
これでみられるように、日銀は、当初は約260兆円ある当座預金のうち、
マイナス0.1%が課される「政策金利残高」は約10兆円にとどめ、金利0%の「マクロ加算残高」を約40兆円、
0.1%のプラス金利が付される「基礎残高」を約210兆円とした。
さらに、マクロ加算残高は今後増やしていく、とされた。マクロ加算残高は、基準平均残高に、
すべての取引先に一律の掛目(基準比率)を掛けて計算する(基準比率は金融政策決定会合で決定し公表する。
掛け目を上げていくことで、マクロ加算残高を増やしていく)。
マイナス金利をつけた政策残高の導入は、どのようにして市場金利を低下させているのか。
基本的には、基準時点からの預金の伸びには銀行ごとにばらつきがあることがポイントである。
これにより、政策残高を抱えマイナス金利を適用される銀行と、マクロ残高どまりの銀行が生じる。
前者の銀行は、その分に対して課せられるマイナス金利による損を小さくするために、
マイナス0.1%より少しでもマイナス金利幅が小さければ、短期金融市場にマイナス金利で放出して
自行がもっている政策残高を減らそうとする。政策残高以下の銀行は、マイナス金利で市場から資金を借り、
それを金利ゼロでマクロ加算残高においておけば利益が出る。
日銀は銀行のこの利潤動機を利用することで、少額の政策残高への課金を通じて
短期金融市場をマイナス金利に誘導することができる。
実は、マイナス金利政策導入以前についても日銀は、同じ銀行の利潤動機を使って金利を0.1%に誘導している。
つまり、量的緩和で短期資金がだぶついていても、日銀が0.1%の金利で預かってくれる限り、
低い金利で貸さなくとも、日銀に預けておけばよいから、市場の短期金利はそれ以上、下がらない。
有利な利回りのほうで資金を運用ないし調達する、という金利裁定を通じて、結局、
日銀当座預金金利にサヤ寄せされる形でコールレートが形成される、ということになり、
このメカニズムで金利の“下限”を形成できる、というのがポイントなのである。
続く
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