【中国】政敵を根絶やしにする「連座制」　習近平氏の反腐敗キャンペーンで復活 [09/11]

ちゅら猫

2016.9.11 01:00
★【検証・文革半世紀　第３部（２）】政敵を根絶やしにする「連座制」　習近平氏の反腐敗キャンペーンで復活

中国人民解放軍の副参謀長、王建平（大将）が８月末に四川省成都市を視察した際、
軍の規律部門に連行されたもようだ。複数の軍関係者が証言した。

中国共産党の老幹部や指導層が集まる「北戴河会議」の終了直後で、湖南省や雲南省のトップに
習近平派と目される者が就任した時期と重なる。権力闘争の活発化を思わせる。

習指導部による反腐敗キャンペーンの下では、軍制服組トップの郭伯雄らに続く４人目の
大将の失脚だが、現役の大将で拘束されたのは王が初めてだ。

王は、無期懲役が確定した前共産党中央政法委員会書記、周永康の直接の部下だった。
贈収賄などに手を染めたといった噂が流れているが、「粛清の一環だ」とみる軍関係者が多い。

周の失脚からすでに２年が過ぎた。しかし、影響力排除のため、粛清が今も休みなく
続いている実態をうかがわせる。

周の側近だけではない。国営新華社通信は７月上旬、元空軍政治委員で郭に近い田修思（大将）
が党規律部門に拘束されたと報じた。王と田と同時に、その妻や秘書も拘束された。

２人の周囲では今後、逮捕者や職を追われる者が多く出る可能性がある。一味とみられることを恐れ、
「満足に眠れなくなった軍幹部が多くいる」といった話が漏れ伝わっている。

罪を犯した本人だけでなく周辺の者も処罰するのは、古代中国の習慣だった。明の時代の儒学者、
方孝孺が永楽帝の即位に反対したため、門下生を含む８００人余りが処刑された「滅十族事件」が有名だ。

１９４９年の新中国成立後、階級闘争の概念が導入され、連座制が息を吹き返した。
文化大革命（文革）の時代には、毛沢東が「見せしめ」の意味も含めて政敵らをまとめて摘発した。

有名なのが、７１年９月の「林彪事件」をめぐる処罰だ。毛に次ぐ党内ナンバー２の党副主席
だった林彪がソ連への逃亡を図り、モンゴルで墜落死したことを受け、部下だった将軍３３人が粛清された。
これらの人々の家族や知人ら１万人以上が、「反革命」の疑いで取り調べを受けたという。

軍の兵站部門のトップを務めた邱会作（中将）の回顧録によれば、「林彪の陰謀に加わった」
として邱が逮捕されると、ほぼ同時に妻と息子４人も拘束された。

次男の婚約者は強制労働のため農村に送られ、北京の病院に入院していた８０歳前後の母親は病室から
倉庫のような小屋に移され、治療も投薬も途絶えた。およそ半年後、孤独のうちに生涯を終えたという。

習政権発足に伴い、文革期さながらの処罰手法が息を吹き返したようだ。香港誌「争鳴」によると、
周永康のケースでは巻き添えを食った者は計５３２人に上り、うち約４９０人が拘束され、７人が自殺した。
周の家族、親族のうち少なくとも１１人が拘束されたほか、仕えた秘書７人全員が投獄されるという徹底ぶりだ。

共産党関係者は、「連座制は党内の潜在的な不満分子を排除し、幹部らに恐怖を植え付ける意味で
非常に効果がある」と分析する。

現代中国で猛威を振るう連座制。文革時代と異なるのは、対象となる政敵らの容疑が、「走資派」
（資本主義の復活を目指す人々）や「反革命集団」から、「規律違反」や「機密漏洩（ろうえい）」
に変わっただけ、といったらいい過ぎだろうか。（敬称略）

http://www.sankei.com/premium/news/160911/prm1609110029-n1.html
周永康をめぐる関係図
http://www.sankei.com/images/news/160911/prm1609110029-p1.jpg

【中国】政敵を根絶やしにする「連座制」 習近平氏の反腐敗キャンペーンで復活 [09/11]

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