【国際】イスラエル軍　自動運転の武装軍用車、実戦配備を開始

シャチ ★

毎日新聞 8月23日(火)20時3分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160823-00000079-mai-int
＜イスラエル軍＞自動運転の武装軍用車、実戦配備を開始
パレスチナ自治区ガザ地区との境界に実戦配備された完全自動（フルオート）運転システム搭載の
イスラエル軍用車両「ボーダー・プロテクター」＝イスラエル南部の軍基地で２０１６年６月２１日、大治朋子撮影
　◇本格配備は「世界初」　７月にガザ地区との境界に導入

　【エルサレム大治朋子】イスラエル軍は毎日新聞の取材に対し、完全自動（フルオート）運転軍用車の
実戦配備を開始したことを明らかにした。人工知能（ＡＩ）による自動運転軍用車の本格配備は
「世界初」（イスラエル軍）で、７月中旬からパレスチナ自治区ガザ地区との境界に導入した。今後、
機関銃など兵器を搭載してレバノンやシリア、ヨルダン、エジプトなど周辺アラブ諸国との境界に順次、
配備する。将来的には兵士とロボット車両の混成戦闘部隊の組織を目指す。兵器は現状では
遠隔操作だが、製造業者は「技術的に武器の自動化は既に可能な状態」としている。

　完全自動運転車の実戦配備開始を軍が内外メディアに認めたのは初めて。米軍は２０１１年の
陸上無人システム計画で「完全自動化」を最終目標に掲げたが、配備に至っていない。民間用は、
日本政府が東京オリンピック開催の２０年ごろに準自動（必要に応じて人間が運転）車両の実用化、
２０年代後半に完全自動の市場化を目指す。市街地走行の民間用と異なり、軍用は非舗装の
オフロード走行を想定。障害物や爆弾などへの多様な対応が求められ、特殊な課題が多い。

　イスラエル軍は０８年、ガザ地区との境界（約６０キロ）監視のため、準自動の軍用車を世界で
初めて実戦配備し、各国軍幹部らが見学に訪れた。ガザとの境界付近は軍の排他的管理地域で、
付近では０６年、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマス戦闘員がイスラエル兵士２人を
殺害、１人を誘拐し、イスラエル政府がパレスチナ人服役囚１０２７人との交換に応じた。１４年１月には、
仕掛け爆弾で準自動車両が大破した。

　軍は完全自動運転システム搭載の軍用車「ボーダー・プロテクター」の試験運転を終え、実戦配備を開始した。
配備台数は非公開。準自動時代は事前に記録したルートを自動で走り、障害物などに遭遇すると手動に
切り替えた。完全自動は障害物回避機能がある。このシステムを収めた「運転キット」は、どんな車両にも
取り付けが可能だ。準自動時代に２人だった操縦者は１人になり、将来的には１人で複数台に指示を
出すだけで済むような運用を目指す。車両が捉えたデータは陸海空軍の有人・無人システムで同時共有される。

　イスラエル軍ロボット開発部門トップのアミル・シュポンド中佐は「１、２年前までは、完全自動のロボットの
大部隊を２０～３０年後の目標に掲げていたが、現在は各大隊にロボット（車両）数台を組み込む体制を
目指している。ロボットは人間の司令官の配下に置くべきだと判断した」と話した。戦時の進攻時に
兵士の前方を走り、「盾」となってルートの安全を確保するほか、情報収集や兵たん支援、
兵士援護のための攻撃などを任せる方針という。

画像　パレスチナ自治区ガザ地区との境界に実戦配備された完全自動（フルオート）運転システム搭載の
イスラエル軍用車両「ボーダー・プロテクター」＝イスラエル南部の軍基地で２０１６年６月２１日、大治朋子撮影
http://amd.c.yimg.jp/amd/20160823-00000079-mai-000-3-view.jpg

【国際】イスラエル軍 自動運転の武装軍用車、実戦配備を開始

【国際】イスラエル軍　自動運転の武装軍用車、実戦配備を開始