【国際】英ＥＵ離脱　プーチン露政権、ＥＵ弱体化に期待も複雑　経済や制裁への影響注視

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【英ＥＵ離脱】プーチン露政権、ＥＵ弱体化に期待も複雑　経済や制裁への影響注視（1/2ページ） - 産経ニュース
http://www.sankei.com/world/news/160624/wor1606240063-n1.html

　【モスクワ＝遠藤良介】欧州連合（ＥＵ）離脱の是非を問うた英国の国民投票について、ロシアのプーチン政権は「英国の国内問題だ」として距離をとっている。ロシアには、英国の脱退を機にＥＵの結束が弱まり、対露姿勢の緩和につながることへの期待感がある。他方、ＥＵ経済が混乱すればロシアへの影響も避けられず、「損得勘定」は微妙なものとなっている。

　露有力議員からは２４日、投票結果について、「ＥＵの統治モデルの危機を反映したものだ」「ＥＵの政策が庶民の期待と乖離（かいり）した結果だ」といった談話が相次いだ。国営メディアも「ＥＵの危機」を強調しており、自国の経済低迷などから目をそむけさせる狙いだとみられる。「ＥＵの弱体化」がロシアには好都合だとの見方は国内で根強い。

　実際、プーチン政権はＥＵの結束をそごうとする動きをしばしば見せてきた。ＥＵの対露制裁をめぐっては、継続に消極的なイタリアやギリシャ、ハンガリーへの接近を強めている。露政権とフランス極右政党「国民戦線」（ＦＮ）など反ＥＵ勢力との親密な関係も指摘されている。

　ロシアへの資源依存度を下げようというＥＵの共通エネルギー政策も、プーチン政権には「障害」と映っている。ロシアは、欧州向けの天然ガス・パイプライン敷設計画などについて、関係国との２国間交渉に力を入れ、ＥＵ内の反対論を抑えようとしてきた。

　ただ、ＥＵ離脱を決めた英国は、対露強硬派の急先鋒（せんぽう）である一方、「欧州連合軍」構想に反対するなどＥＵの統合深化に歯止めをかけてもきた。このため、英国の離脱がロシアには好都合だとの見方には懐疑的な識者も少なくない。ＥＵの求心力が弱まれば、東欧・バルト諸国がいっそう対露姿勢を硬化させる可能性も指摘されている。

　ＥＵはロシアの貿易高の４割超を占めており、ＥＵ経済の悪化がロシアに波及することへの懸念は強い。国際原油価格や通貨ルーブルの下落も通じ、英国の離脱がロシアの国内総生産（ＧＤＰ）を１％引き下げるとの試算がある。

【国際】英ＥＵ離脱 プーチン露政権、ＥＵ弱体化に期待も複雑 経済や制裁への影響注視

【国際】英ＥＵ離脱　プーチン露政権、ＥＵ弱体化に期待も複雑　経済や制裁への影響注視