【参院選】「アベノミクスの失敗」?いやいや、民主党の責任でしょ！～攻め方を間違え続ける野党へのため息 [06/10]

ちゅら猫φ ★

★「アベノミクスの失敗」?いやいや、民主党の責任でしょ！～攻め方を間違え続ける野党へのため息
2016年06月10日（金）長谷川幸洋

(中略)

残念ながら野党はまだ信頼されていない。2009年から3年続いた民主党政権の失敗のダメージが続いて
いるのに加えて、今回、民進党は日米安全保障条約の廃棄、自衛隊解消を唱える共産党と手を握ってしまった。

格差是正はともかく、日米同盟や自衛隊の解消を目指す政党と一緒にやろう、という野党連合に国民が
政治を委ねる気になるだろうか。

参院選で野党連合がそこそこ成果を上げたとしても、これでは将来、政権を目指すうえで決定的な負の遺産になりかねない。
有権者の信頼を得られないからだ。民進党はルビコン川を渡ってしまった。

具体的に言えば、安保関連法を廃止した後、どうするのか。

彼らは個別的自衛権のみで日本を守れると考えている。つまり日本が攻撃されたら反撃する。
だが、米国が攻撃されても日本は知らないという立場だ。
共産党は自衛隊の解消を目指すのだから、どう反撃するのか知らないが…。

これでは米大統領選の共和党候補、トランプ氏が大統領になったら、黙っていないだろう。
トランプ氏は日本に米軍駐留経費の全額負担を求めて「カネを出さないなら米軍は引き揚げる」と言っている。
野党連合はどう答えるのか。

共産党は日米安保廃棄を唱えているので「これ幸い」とばかり「どうぞ米軍は帰ってください」と言うに違いない。
そうでなければおかしい。だが民進党は日米安保支持なので「帰れ」とは言えない。
その瞬間に野党連合はおしまいだ。この点だけを見ても、野党連合の矛盾とデタラメぶりはあきらかである。

野党のTPP反対についても言っておこう。もともと民進党はTPP推進の立場だった。
2011年11月に「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と記者会見で表明したのは、
当時の野田佳彦政権である。

ところが、いまになってTPP反対という。資源がない日本は自由貿易体制を強化する中でしか生きていけない。
自由貿易を進めるうえで痛みが生じる部分を、どう和らげながら全体としてメリットを享受していくか、
という問題が構造改革であり、成長戦略そのものだ。野党は日本が抱える制約条件の下でどう生き残るのか、
あまりに場当たり的ではないか。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48870?page=3

ついでに言えば、アベノミクス反対などと言っても、アベノミクス自体は単にネーミングの問題にすぎない。
財政・金融政策と構造改革の3点セットは世界標準の経済政策である。
それは伊勢志摩サミットの共同宣言に入ったことで証明されている。
伊勢志摩に限らない。国際社会では当たり前の政策パッケージなのだ。

消費増税の先送りについて、民進党は「アベノミクスの失敗」と批判しているが、失敗したのはアベノミクスではなく、
2014年4月の8％への増税だ。そもそも増税を推進したのは民主党政権だったはずだ。失敗の責任は民進党にもある。

増税延期（実態は凍結）＋アベノミクス加速が景気を支え、ひいては格差是正につながる財源を生み出していく。
パイの切り分け方を変えれば、パイ自体が大きくなるわけではない。

野党はパイが手元になければ、豆腐でもいいからまな板の上に乗せて、じっくり考えてみたらどうか。
いろいろ切り分けてみたところで豆腐が大きくならないのは、すぐ分かるだろう。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48870?page=4