【考古学】世界最古のマイルカ類　安曇野で発見、1300万年前の化石［信濃毎日新聞］

丸井みどりの山手線 ★

（3月3日）
　安曇野市豊科田沢で２０年ほど前に見つかった化石が、現在最も種類が多いイルカ「マイルカ類」としては世界最古となる１３００万年前の化石であることが２日までに、国立科学博物館（東京）の甲能（こうの）直樹研究主幹（５４）らの研究で判明した。松本市四賀化石館が所蔵しているが、何の化石か分かっていなかった。マイルカ類が、祖先から現在の４０種ほどに分岐し始める時期に生息していたと考えられ、甲能さんはイルカの進化の様子を解明する上で貴重な史料としている。

　一方、１９３４（昭和９）年に上田市小泉で見つかり、７４年に県天然記念物に指定された「シナノイルカ」の化石も、安曇野市で見つかったのと同種の１３００万年前のマイルカ類と判明した。甲能さんによると、祖先から分岐を始める時期のマイルカ類の化石と判明したのは世界初。

　安曇野市の化石は松本市の男性が採土場で２０年ほど前に見つけ、四賀化石館に寄贈した。１３００万年ほど前の「別所（べっしょ）層」に埋まっていた。同館臨時職員の小池伯一さん（７０）が２００７年に化石を覆う泥などの塊の除去を始め、横約３５センチ、縦十数センチの頭骨部分を取り出した。

　甲能さんは形状からイルカの化石と推測し、１３年に研究を本格化。頭骨の中心が左側に寄り、二つの鼻の穴も左に寄っていること、細かい歯が多数あることなどの特徴から、マイルカ類と判明した。出土した地層から、従来世界最古とされていた北海道の９００万年ほど前の化石より古いことが分かった。

　一方、甲能さんらは上田市の「シナノイルカ」の化石を含む岩も調査。この化石も１３００万年ほど前の「別所層」で見つかっており、エックス線などで内部を調べたところ、安曇野市の化石と特徴が一致した。安曇野市の化石は体に当たる部分が見つかっていないが、上田市の化石から、前ひれが長く、体長は２メートルほどだったと推測している。

　甲能さんによると、マイルカ類は１３００万年前に現在の多様な種類につながる分岐を始めたとみられている。現在のマイルカ類は北大西洋で進化したと推測されているが、甲能さんは「それ以前には（日本が位置する）北太平洋で進化したとの仮設が立てられる」と話している。

　海生哺乳類に詳しい群馬県立自然史博物館主幹の木村敏之学芸員（４５）は「マイルカ類は非常に繁栄している。イルカ、クジラの生物層の成立を考える上で、世界的に見て貴重な成果」と話している。

　安曇野市で見つかったマイルカ類の化石は四賀化石館で展示している。

引用元：http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160303/KT160302GUI090014000.php

【考古学】世界最古のマイルカ類 安曇野で発見、1300万年前の化石［信濃毎日新聞］

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