【社会】小規模で閉鎖的な宗教団体（ミニカルト）をめぐるトラブルが全国で増加　金銭被害ばかりでなく命落とすケースも

シャチ ★

西日本新聞 12月22日(火)10時0分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151222-00010000-nishinp-soci
小規模で閉鎖的な宗教団体（ミニカルト）をめぐるトラブルが全国で増加している。全国霊感商法対策弁護士連絡会（東京）への今年の相談件数は、
2年前に比べ約3割増のペースで推移。信仰心につけこまれ献金を強要されたり、暴力が繰り返されたりする例もあり、信者が命を落とす例も少なくない。
連絡会は「ミニカルトは信者同士の関係が濃密で異論が出にくく、エスカレートしやすい」と警鐘を鳴らす。

　「仕事から帰るとスクワットや腹筋、夜通しのマラソン。きつくてやめると監視役から何度も殴られた」。
福岡県内に拠点を置く宗教団体の信者だった女性（59）はそう明かす。
　団体は17年前に設立。悩みを抱えていた女性は知人に誘われ、2年後に入信した。
信者は20人程度で、数人ごとに集団生活を送るようになったという。

「罰を与えろ！」「氷風呂に30分間」
　女性によると、信者は幹部から互いの行動を監視するよう命じられ、寝坊などわずかなミスも報告が義務付けられた。
ミスのたびに「罰を与えろ！」「氷風呂に30分間」など、暴行や罰金の支払いを指示するメールが幹部から届いたという。
　度重なる暴行や、献金による借金で限界に達した女性は2010年に脱会。その後、暴力支配で不当な献金を強いられたとして福岡地裁に提訴した。
団体側は「暴行は証拠がなく、自主的な献金だった」などと反論したが、元信者の60代男性は取材に対し、女性への暴行を認め、
「幹部の指示で信者間の暴力が常態化していた」と証言した。
　福岡高裁は今年11月、暴行については認定しなかったものの「上意下達の統制的秩序で、メンバーの私生活に過剰に介入した。
女性の精神的苦痛は相当だった」とし、慰謝料と献金などによる経済的損失計約573万円の支払いを代表と幹部に命じた。団体は最高裁に上告している。
　連絡会によると、霊感商法で問題になった大規模な宗教団体に関する相談が減少する一方、
ミニカルトの相談件数は13年の146件から14年には197件、15年も11月末までで172件と増加傾向にある。
「先祖代々の罪がある」などとあおって「献金を強要された」「開運グッズを購入させられた」－などの相談が相次いでいるという。
　山口広事務局長は「家族同士で痛めつけ合うような事例も目立つ」と指摘。熊本県では今年1月、
除霊と称して妻の鼻の穴に注射器で水を注入し、窒息死させたとして夫や祈祷（きとう）師の女が傷害致死罪で実刑判決を受けた。
栃木県でも11月、祈祷師の男が糖尿病の男児へのインスリン投与を親にやめさせ、死亡させたとして殺人容疑で逮捕された。
　立正大の西田公昭教授（社会心理学）は「信仰心と集団心理を巧みに使えば、人の意思は簡単に操作されてしまう。
危険な宗教が身近に存在することを知り、気を付ける必要がある」と指摘する。

画像　福岡県内のある宗教団体の幹部から女性ら信者に送られたメール。女性を罵倒する文言が並ぶ
http://amd.c.yimg.jp/amd/20151222-00010000-nishinp-000-1-view.jpg

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