【社会】「児童ポルノ」のボーダーラインは…　宮沢りえ『サンタフェ』も該当する？ [07/22]

★「児童ポルノ」のボーダーラインは…　宮沢りえ『サンタフェ』も該当する？
2015.07.22

児童買春・ポルノ禁止法（児童ポルノ法）の改正で、１５日から個人による
児童ポルノの写真や映像の「単純所持」が罰則の適用対象になった。
子供を狙う卑劣な犯罪の抑止になると期待したいが、気になるのはどこからが
「アウト」なのかというボーダーラインだ。過激な着エロＤＶＤはもちろん、
雑誌のグラビア、ベストセラーになったあの写真集までも問題視される
可能性があると専門家は指摘する。

法改正では、個人が自分の意思に基づき性的好奇心を満たす目的で１８歳未満の
児童のポルノ写真などを所持した場合、１年以下の懲役または１００万円以下の
罰金を科されることになる。

警察当局は、昨年７月の児童ポルノ法の改正法施行から１年間の猶予を設け、
所有者に児童ポルノの処分を促してきた。１５日の適用開始直前には、
児童を狙った性犯罪を扱う弁護士の元に、所有者からのポルノ写真などの
“駆け込み処分”の依頼も殺到した。

今月４日には奈良県香芝市で市立小６年の女児（１１）が無職男（２６）に
連れ去られる事件があったばかり。こうした犯罪の抑止につながるので
あれば結構な話ではあるが、注意すべき点もあるという。

児童の性被害問題などに詳しい紀藤正樹弁護士は、「改正法の条文では、
『児童ポルノ』を１８歳未満の児童の『性的な部位が露出され、または
強調されるもの』と定義している。その基準に照らすと、規制の対象と
なる範囲はかなり広くなる」と話す。

東京・秋葉原など全国の書店や量販店では、小中学生のモデルがきわどい
水着を着て出演する「着エロ」と呼ばれるＤＶＤ作品が多数売られている。
こうしたものは言うに及ばず、「青年漫画誌に掲載される１８歳未満の
アイドルのグラビア写真も取り締まりの対象になる可能性がある」
（紀藤氏）という。

２００９年に児童ポルノと認定するかどうかで、国会が紛糾した女優、
宮沢りえ（４２）のヌード写真集『Ｓａｎｔａ　Ｆｅ（サンタフェ）』
についても議論が再燃しそうだ。

１９９１年に発売された同作は、写真家の篠山紀信氏（７４）が手掛け、
１５０万部超のミリオンセラーとなった。ただ、撮影時に宮沢が１８歳
未満だった可能性が高く、「規制の対象となるのでは」との声が挙がっているのだ。

先の紀藤氏は「児童ポルノに該当する恐れが非常に高い。改正法では撮影当時に
合法だったかどうかは問われない。今後は学術目的以外の所持が禁じられる
こともあり得る。撮影した篠山氏が写真のネガを所有していれば、それ自体も
違法性が問われかねない。当局がスケープゴートとして狙い撃ちすることも
考えられる」と指摘する。

児童ポルノとは無縁の生活を送っていても、思いもかけない形で事件に
巻き込まれるケースもあるという。

「自分の家族であっても、赤ちゃんの裸の写真をフェイスブックなどのＳＮＳに
掲載するのも控えたほうがいい。その写真がインターネットを介して他人の手に
渡れば、『児童ポルノの製造者』として捜査対象になりかねない」（紀藤氏）

あらぬ疑いを掛けられぬために、身辺整理に務めたほうが良さそうだ。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150722/dms1507221900015-n1.htm

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