【政治】日露首脳会談、９月実現へ　谷内国家安全保障局長の手腕に注目 [06/30]

★【永田町・霞が関インサイド】日露首脳会談、９月実現へ　谷内国家安全保障局長の手腕に注目
2015.06.30

当コラムに何度か登場した谷内（やち）正太郎国家安全保障局長（１９６９年、外務省入省）のことである。

「積極的平和外交」を看板とする安倍外交における谷内氏の存在感が一段と高まってきている。

筆者はかつて、「外交敗戦－谷内外務次官の研究」と題して『文藝春秋』（２００８年１月号）に一文を寄稿した。

その中で、以下のようなエピソードを紹介した。

外務事務次官時代の０６年１０月、ブッシュ政権のクラウチ大統領次席補佐官が
ワシントンを訪れた谷内氏をステーキハウスに招待した。

谷内氏はアメリカン・スクール（英語研修組）出身だが、実は英語は達者ではない。
だが、夕食会での答礼スピーチの中身は、異例のものだった。

随行者が用意したペーパーを読まず、「私見だが」と断りながら「日本は集団的自衛権の
行使を必ず実現させる」と言い切ったのだ。米側出席者は一様に驚いた。
９年前の第１次安倍晋三政権下のことである。

９５日間の大幅会期延長となった今通常国会中の安保法制関連法案成立に全力投球の
安倍首相との距離感は、この一時をもって理解できるはずだ。

昨年１１月に北京で開催されたアジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）首脳会議で、
安倍首相と習近平国家主席の日中首脳会談が実現した。

その伏線となったのが、その直前に行われた福田康夫元首相と習主席の会談であった。
トリガーとなったのは、事前に谷内氏が極秘裏に訪中、楊潔●（＝竹かんむりに虎）
国務委員（外交担当・副首相級）と協議したことである。

谷内氏は７月中旬に再び北京を訪れ楊氏と会い、８月上旬発表に前倒しとなった
安倍首相の「戦後７０年談話」の内容を説明するというのである。

それだけではない。来月初旬にはモスクワも訪れるというのだ。

谷内氏のロシアのカウンターパートであるパトルシェフ安全保障会議書記、
そして、イワノフ大統領府長官と会談するという。最側近の両氏はともに、
プーチン大統領同様にＫＧＢ出身である。

安倍首相は２４日夜、プーチン大統領との電話会談でプーチン氏の年内来日を確認した。

「プーチン年内訪日」に難色を示すオバマ米大統領の意向を知る安倍首相はあえて決断したのだ。

プーチン大統領は最近、ロシア経済が回復の兆しが見え始めたことから自信を深めている。

そして、安倍・プーチン会談は年末を待たず９月の国連総会時に実現するかもしれない。
すべては谷内氏の手腕次第である。　（ジャーナリスト・歳川隆雄）

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150630/plt1506301140001-n1.htm

【政治】日露首脳会談、９月実現へ 谷内国家安全保障局長の手腕に注目 [06/30]

【政治】日露首脳会談、９月実現へ　谷内国家安全保障局長の手腕に注目 [06/30]