【米国】南軍旗は黒人抑圧の象徴？　英雄像撤去、軍基地改名の声も＝南軍旗で問われる米国の「遺産」 [06/27]

★英雄像撤去、軍基地改名の声も＝南軍旗で問われる米国の「遺産」

【ニューヨーク時事】米南部サウスカロライナ州の黒人教会での銃乱射事件後、
南北戦争（１８６１～６５年）で奴隷制の維持を主張した南部連合が使い、
今も各地に掲げられる南軍旗を「黒人抑圧の象徴」として拒絶する動きが
米国内で予想を超えて広がっている。南軍の英雄像の撤去、その名を冠した
学校や軍基地の改名も言及される中、奴隷制廃止後に残された「遺産」
の是非が問われている。

サウスカロライナ州議会は議事堂前に掲揚されたまま批判の的になっている
南軍旗の撤去に向け、近く審議を始める。南部アラバマ州は既に知事命令で
議事堂前の旗を降ろした。通販会社による旗や関連商品の取り扱い中止に加え、
国立公園局は２５日、南北戦争ゆかりの史跡の売店から南軍旗に関わる品を撤去した。

ルイジアナ、ケンタッキーなどの南部諸州では、南部連合のデービス大統領や
リー将軍といった「英雄」像の撤去が議論されている。ミシシッピ州の
ディスパッチ紙は社説で、州旗にあしらわれた南軍旗を「われわれの歴史の
汚らわしい一時期を表している」と南北戦争の評価に踏み込んで酷評した。

マイアミ大の憲法学者はロイター通信に「新たな国民的合意が猛スピード
でできつつある」と議論の急速な高まりを指摘した。

ただ、南部の白人層は南北戦争の大義への誇りや、犠牲者への追悼の意識を
背景に南軍旗や記念碑への思い入れが強い。南軍兵の子孫でつくる団体
「南部連合退役軍人の息子たち」の関係者は記者団に「人種戦争を始めたのは
旗ではなく、無実の９人に引き金を引いた１人の愚か者だ」と、乱射事件の
容疑者と南軍旗が同一視されることに不満を述べた。

南部連合の名残は南部諸州を中心に深く根付いている。報道によれば、
同連合の著名人の名にちなんだ施設は、学校の場合、私立を除いても全米で
少なくとも１８８校。軍施設だとフォートフッド陸軍基地など国内に１０カ所ある。
ただ、一部で主張されている施設の名称変更は現時点で現実的ではないとみられる。
（2015/06/27-17:54）

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2015062700234

米南部サウスカロライナ州議会前ではためく南軍旗＝１９日、同州コロンビア（ＡＦＰ＝時事）
http://www.jiji.com/news/kiji_photos/0150627at52_p.jpg

【米国】南軍旗は黒人抑圧の象徴？ 英雄像撤去、軍基地改名の声も＝南軍旗で問われる米国の「遺産」 [06/27]

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