【社会】「分別は…」基地外居住者、地域でごみ出し

マカダミア ★

長崎県佐世保市の米海軍佐世保基地の軍人・軍属とその家族のうち、基地外居住者は従来、家庭ごみを基地内で
処理していたが、５月以降、基地内に持ち込めなくなり、市内各地の市民用のごみステーションの利用を始めた。

　市によると、今のところ目立ったトラブルは起きていないが、市民からは「分別などのルールを守ってくれるのか」
などとの不安の声があがっている。

　同基地や市廃棄物減量推進課によると、基地外居住者の家庭ごみはこれまで、いったん基地内でまとめて収集して
日本側の民間業者に回収、処理してもらっていた。ところが、米海軍省から「世界中の米海軍基地で（ごみの基地内持ち込みは）
禁止されているが、佐世保基地は従っていない」と指摘されたとして、同基地は今年２月、基地内への可燃ごみの持ち
込み禁止を米軍人らに伝達。これを受け、基地外居住者は、市民と同様、各町内会が管理するごみステーションにごみを出し、
市が回収や処理を受け持つことになった。

　市は現在、市民１人あたり年間５枚の指定ごみ袋購入補助券を各世帯に送付。これを使い切ると、ごみ袋を購入する際に
８４０円のごみ処理手数料が上乗せされる仕組みを運用し、ごみの排出量の抑制を図っている。

　基地の米軍人・軍属とその家族の数は約５０００人。うち、基地外に住み、地域のごみステーションを利用するのは
約１７００人。ごみ袋の購入やごみの分別の仕方まですべて“初心者”だ。このため、町内会側からは言葉や生活習慣の
違いなどを背景に、ルールに沿った分別ができるのかといった不安の声が上がった。

　市は基地に対し、２回にわたって持ち込み禁止措置の延期を要請。その間、担当職員を基地に３回派遣し、米兵らに
実演を交えて分別方法を説明。基地からも「違反者は厳正に処罰し、ルールを守らせるため全面協力する」との回答を得たという。

　家庭ごみの持ち込み禁止は５月１５日から始まったが、同課によると、これまでのところ、米軍関係者による目立った
ルール違反はないものの、市指定のごみ袋を使わなかったり、資源ごみの空き缶やペットボトルを可燃ごみと一緒に捨て
たりするケースが１日に数件程度、確認されているという。

　市連合町内連絡協議会の嬉野憲二会長（６８）は「今のところ大きなトラブルはないようなので安堵あんどしてはいるが、
今後もルールがきちんと守られるように、市は基地側に働きかけてほしい」と注文する。

　これに対し、同課は「外国人だからという理由で、分別ルールが守られないという訳ではないようだが、今後、
目立った違反があれば、基地に改善を要請する」としている。（松本晋太郎）
2015年06月10日 11時24分

http://www.yomiuri.co.jp/national/20150610-OYT1T50053.html