【政治】サミット開催地、「広島か伊勢志摩か」　政治優先か、伝統・自然・要人警護の経験が優先か…ギリギリまで苦悩

★【永田町・霞が関インサイド】サミット「伊勢志摩決定」安倍首相の苦悩　政治優先か、伝統・自然優先か
2015.06.09

来年６月に開催される主要７カ国首脳会議（Ｇ７サミット）の開催地は三重県志摩市に決まった。

安倍晋三首相は５日夕、独エルマウ・サミット（７～８日）出席のため羽田空港を
発つに当たって記者団に対し、「伊勢志摩サミット」と命名したことを明かした。

これまでに仙台市、長野県軽井沢町、新潟市、横浜市、浜松市、名古屋市、志摩市、
神戸市、広島市がサミット候補地として名乗り上げていた。

と同時に、各メディアは総動員体制で開催地をスクープすべく全力投球してきた。

にもかかわらず、産経新聞（５月３１日付朝刊）が１面トップで「仙台、志摩、広島－
首相、サミット開催地絞り込み」と報じた以外、決め撃ち報道は一切なかった。

首相官邸側が開催地決定に関して徹底的な箝口（かんこう）令を敷いたため、
マスコミ各社は確定情報が取れなかったからだ。

一方、５月初旬頃から「志摩最有力」説は流れていた。三重県警は伊勢神宮を参拝する
首相や皇族など要人警護の経験が豊富であり、会場となる志摩市賢島を外部と遮断できる
警備面での優位性からだ。

加えて、賢島の志摩観光ホテル本館が同６日から来春まで耐震・免震工事を含む
改装に着手したこともあった。

それでも、筆者は「広島開催」説を捨て切れなかった。主宰する情報誌『インサイドライン』
（５月２５日号）に「１６年Ｇ７サミット開催地は広島か」と書いている。

来年のサミット開催翌月に参院選がある。安倍首相は自民党単独過半数実現をすべてに
優先している。であれば、「広島サミット」の政治的インパクトは断トツである。

だが、官邸幹部は先月末、「安倍総理が先の訪米でパールハーバー（真珠湾）を訪れなかったのに、
オバマ大統領に『被爆地ヒロシマにお越しください』と言えますか」と筆者に語り、広島説を否定した。

それでも、政治（選挙）を優先するのか、それとも伝統・自然（場所）を優先するのかで、
安倍首相は最後まで悩んだのは間違いない。

安倍首相は「伊勢神宮の荘厳で凛とした空気を共有できればいい。志摩には大小の島々、
美しい入り江という日本の原風景ともいえる自然がある」と説明した。

今回の決定の解は安倍首相の『美しい国へ』にある。「政治家は実現したいと思う政策と
実行力がすべてである。確たる信念に裏打ちされているなら、批判はもとより覚悟のうえだ」
と書いている。　（ジャーナリスト・歳川隆雄）

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150609/plt1506091140001-n1.htm

【政治】サミット開催地、「広島か伊勢志摩か」 政治優先か、伝統・自然・要人警護の経験が優先か…ギリギリまで苦悩

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