【社会】片づけられない人、医療関係の女性が多い？ “ゴミ屋敷”体験記　清掃業者に同行取材　「壮絶すぎる」と話題に

★“ゴミ屋敷”体験記　清掃業者に同行取材　「壮絶すぎる」と話題に
2015.06.02

家からあふれ出たゴミが歩道まではみ出す。そんな名古屋のゴミ屋敷が注目を集めているが、
この主（あるじ）に限らず、「片づけられない」人々は世の中少なくない。
そんななか、ゴミ屋敷専門清掃業者に２年間同行取材した人物の体験記が話題だ。
ページを繰ると、それは壮絶すぎるゴミの山、いや貴重なエピソードがテンコ盛りだった。

「名古屋のケースは業者を呼んだら、２００万円はするだろう。
片づけられないというより収集癖があるようにもうかがえるが」

そう話すのは漫画家でライターの村田らむ氏だ。村田氏は昨年、単行本「ゴミ屋敷奮闘記」
（有峰書店新社）を出版。２０１２年から約２年間、清掃を請け負う業者のもとでスタッフ
として働いた体験をまとめたルポなのだが、内容が「壮絶すぎる」と一部で話題を呼んでいる。

ゴミが天井にまで届き、見たこともない害虫がうごめく。住人はトイレに行くのが面倒だったのか、
部屋には小便が入ったペットボトルが１０００本以上…。

村田氏が目にした現場はまさに戦場だった。

「『もう１人ではどうしようもない』という人々がせっぱつまって連絡をしてきた。
依頼者は２０～４０代。清掃代は決して安くはないから、みなそこそこお金は持っている
ようだった。大抵は身なりがまともで、とてもゴミ屋敷の主とは思えなかった」（村田氏）

意外なことに、依頼者の６割程度が女性。
そのうち、半数近くが医療関係の職種に従事していたという興味深いデータもある。

「看護師は激務のため、部屋の掃除まで手が回らないのもあるのだろうが、
『仕事がら、人の死を見る機会も多く“負のオーラ”を受けやすいのも理由の１つではないか』
と推測する同僚もいた」（村田氏）

ゴミ屋敷の住人はどちらかというとおとなしいタイプが多いという。
大家などにゴミの出し方を注意されて以来、萎縮してため込むようになってしまった人もいた。
失恋やネットゲーム依存がきっかけだった例もみられる。

「１人暮らしを始めた大学生のなかには、それまで勉強一筋だったために、
掃除のやり方を知らない人もいる。初めは散らかっている程度だったのが、
そのままゴミ屋敷化するパターンだ。依頼者のなかには某有名私学に通う女性もいた。
保護者は事前にゴミの出し方などを教え、１年ぐらいは目をかけてやるべきだと感じた」

掃除する習慣がある人にとっては理解に苦しむが、住人も好きでそんな生活をしているわけではない。

「ゴミの山を片づけていくと、下のほうから部屋に住み始めたころに買ったであろう掃除の
ハウツー本が出てきたりする。彼らも普通の暮らしを望んでいるが、それができない。
昔であれば地域のコミュニティーが手助けしたのかもしれないが、現在は希薄になる一方だ。
今後、ゴミ屋敷はさらに増えるかもしれない」（村田氏）

依頼者のなかには、絶望のあまり逃亡や自殺を考えたケースもあるという。
想像以上に本人たちの悩みは深刻なようだ。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150602/dms1506021525008-n1.htm

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