【経済】中国、１～３月7.0％成長に減速　６年ぶり低い伸びに

★中国、１～３月7.0％成長に減速　６年ぶり低い伸びに
2015/4/15 11:00 (2015/4/15 12:25更新)

【北京＝大越匡洋】中国国家統計局は15日、2015年１～３月期の国内総生産（ＧＤＰ）が
物価変動を除く実質で前年同期比7.0％増えたと発表した。成長率は昨年10～12月期から
0.3ポイント減速し、リーマン・ショック後に景気が落ち込んだ09年１～３月（6.6％）
以来、６年ぶりの低い伸びとなった。住宅市況の不振から企業の生産や投資が
伸び悩んでいる状況が鮮明になった。

中国経済の14年通年の成長率は7.4％と24年ぶりの低い伸びで、今年に入っても景気の
減速が続いている。１～３月は、習近平指導部が今年の成長率目標とする「７％前後」
の水準まで成長ペースが鈍った格好だ。１～３月の成長率は前期比でみても1.3％と、
14年10～12月期の1.5％から伸びは鈍った。

国家統計局の盛来運報道官は15日の記者会見で「景気の減速は予想の範囲内で、
安定圏内にある。雇用も比較的安定している」と強調した。１～３月の成長率は、
日本経済新聞社と日経ＱＵＩＣＫニュースが共同で実施した市場調査の平均（7.0％）
と同じだった。

習指導部はある程度の成長鈍化を容認し、景気の安定と改革の推進の両立をめざしている。
ただ中国景気が想定以上に減速すれば世界経済の不透明感が増すだけに、追加の金融緩和
など一段の景気の下支え策を求める声が市場で強まりそうだ。

ＧＤＰとは別に発表された一般経済統計でも、景気の減速は鮮明だ。１～３月の不動産
販売額は前年同期比9.3％減り、減少幅は14年通年の水準（6.3％減）から拡大した。
住宅販売が落ち込み、建設・設備投資の傾向を示す固定資産投資も13.5％増と、
伸びは14年通年の水準（15.7％増）より鈍った。

生産の伸び悩みも顕著だ。１～３月の工業生産は6.4％増と、14年通年の8.3％増から
伸びが縮小した。鋼材価格などが下落し、新車販売の伸びも鈍っていることが響いた。
特に３月単月の工業生産は5.6％増と、春節（旧正月）の影響を除くと、08年11月
以来の低い伸びだった。

消費動向を示す社会消費品小売総額（小売売上高）は１～３月に10.6％増と底堅いが、
14年通年の伸び（12.0％増）に届かなかった。３月は輸出も２桁の減少幅となり、
外需も力強さを欠く。

中国政府は昨秋以降、利下げなど金融緩和に動き、３月末には個人の住宅ローン規制を
緩和した。鉄道建設などインフラ整備を加速し、アジア全域に輸出や投資を増やす
「シルクロード構想」も進める方針だ。当面は財政と金融の両面で小刻みに政策を
打ち出し、景気を支える状況が続く。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM14H61_V10C15A4MM0000/
http://www.nikkei.com/content/pic/20150415/96958A9E9381959FE3E69AE4E38DE3E7E2E6E0E2E3E79F9FE2E2E2E2-DSXMZO8570664015042015MM0001-PB1-2.jpg

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