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【神奈川新聞】国際社会がテロリストを追い詰める構図は、日本のマジョリティが在日コリアンを排除しようとする構図と同じ 阿部浩己教授
- 2 :◆CHURa/Os2M@ちゅら猫φ ★:2015/02/25(水) 20:19:02.24 ID:???
- >>1より
■排除の構図
阿部さんはこの数年、国内外で起きているさまざまな混乱や紛争、争いに同じ構図をみる。
例えば在日コリアンの排斥をあおるヘイトスピーチ(差別扇動憎悪表現)。「マジョリティー(大多数)が
中心の社会で、異なる存在や生き方を暴力的に排除していく構造がある。少数者の思いに心を寄せることなく、
社会を分断し、敵対することで安心を得ようとしている」
世界に目を転じれば、「国際社会」というマジョリティーが中東のテロリストを軍事力で排除しようとしている。
「スケールが異なるだけで、構造はまったくの相似形だ」
沖縄の基地問題にも同じ相似形をみる。
いま名護市辺野古では米軍普天間基地の移設に反対する集会が続く。柵の前で毅然(きぜん)と立ち、
声を上げ続ける島の人々の姿を阿部さんは胸の詰まる思いで見続けてきた。
「彼らは昔から、本土の大多数によって基地を押し付けられてきた。沖縄がそれをどう受け止めているか、
どう考えているかなど、本土の人間は真剣に想像したことなどないだろう。もう限界のところまできている。
独立を本当に考えるようになっている。今や笑い話ではない。沖縄独立の可能性は、日本の安全保障の
根幹を揺るがす事態だが、本土の政府はどれだけ現実的に考えているだろうか」
阿部さん自身、東京・伊豆大島に生まれ育ち、高校入学と同時に本州へ渡った。「『周縁』の人間は常
に『中心』を意識しているが、その逆はないということを肌身で感じてきた」。内地に出てきた時に
わが身を襲った萎縮する感覚だ。
沖縄と本土、アラブと欧米。次元は異なれど、両者の関係も同じ構図に映る。「すべては、マジョリティー
とマイノリティーの間に横たわった、不均衡な社会構造の延長線上にある」
そして話は、この国の安全保障に戻る。
阿部さんが共通して感じるのは「多様性を受け入れられなくなったこの国のありよう」だ。
いま世界は東西冷戦後の新しいバランスをどう形成するか、その過渡期にあるとみる。
「冷戦が終結し、社会主義と自由民主主義の対立構造は壊れた。その結果、資本主義が加速度的に
拡大してきた。社会主義の影響を受け、充実させてきた社会保障制度は必然的に劣化が進んでいる」
象徴的だったのは小泉政権時代になされた大胆な規制緩和だ。以来、自由競争は激化し、すべての
価値がマネーに単一化され、格差は拡大した。いま「景気回復」を掲げるアベノミクスによって、
富はさらに偏在しようとしている。実質賃金は下がり、一方で政策誘導によって物価は上がり続けている。
だが、次代の社会のあり方について、まだ解は見つかっていない。
一つだけ言えることがある。
「こうした重大局面で大事なのは、即断しないこと。進むために立ち止まらなければいけない。
いま必要なのは、勇ましい物言いや陶酔に満ちた決断などではない。じっくり考え多くの意見を聞くこと。
そしてまた考える。『のらりくらりするな』と責められようが、ちょっと待て、と模索する。
即断よりずっと忍耐力を必要とするだろう。だが、それこそが日本の本当の強みでもあるはずだ」
◆
あべ・こうき 神奈川大大学院法務研究科教授。早稲田大卒、同大大学院博士課程修了。専門分野は国際法。
国際人権法学会理事長、日本学術会議連携会員。近著に『国際法の人権化』(信山社、2014年)、
『国際人権を生きる』(信山社、14年)、『国際法の暴力を超えて』(岩波書店、10年)など。56歳。
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